読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

2018-03-19から1日間の記事一覧

シーラという子 _虐待されたある少女の物語_

「ぼくがどうこうできることじゃないんだよ。あの幼児を火傷させた事件のあと、州はあの子を施設収容する決定をしたんだ。被害者の男の子の両親の気持ちを考えたら、そうする以外他に方法がなかったんだよ」 「エド、そんなばかな事ってある?あの子は六歳な…

シーラという子 _虐待されたある少女の物語_

「冬の厳しさにもかかわらず、スイセンの花のようにシーラは花開いていった。日ごとに彼女はどんどん進歩していった。彼女のかかえる状況が許す範囲内ではあるが、シーラはいまではいつも清潔だった。 毎朝はずむようにやってくると、顔を洗い歯をみがいた。…

シーラという子 _虐待されたある少女の物語_

「私と子どもたちとの間でいい合いになって、どちらか一人、あるいは両方ともが怒ってしまったときなど、子どもは日記がその気持ちのはけ口になることを覚えて行った。 そんなわけで、子どもたちはほとんど毎日日記を書き綴っていた。」 「それでも私が二枚…

シーラという子 _虐待されたある少女の物語_

「「トリイ」 「なあに?」 「あたしからぜったい離れて行かない?」 私は彼女の前髪を撫であげた。「そうね、いつかはそういう日がくるわね。学年が終わって、あなたが別のクラスに移り、別の先生に習うようになるときには。でもそれまでは離れないわ。それ…