読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

2018-11-23から1日間の記事一覧

一下級将校の見た帝国陸軍(一、軍人は員数を尊ぶべし)その4

「双眼鏡で眺めれば、ラフ島には人影は見えず、島の北端のラフ町はうす汚れた無人の廃墟となり、屋根の落ちた煉瓦建ての教会堂だけが、くっきりと見える。島の西端から、点のような一隻の小舟が左岸へ進んでゆく。行く先は明らかにあの隠れた入り江で、そこ…

一下級将校の見た帝国陸軍(一、軍人は員数を尊ぶべし)その3

「一方われわれはすでに補給ゼロ。一個中隊や二個中隊が左岸に行ったところで、第一、あの広大な左岸地区の、どこをどう歩きまわればよいのか。カガヤン州の対岸だけでルバング島の十倍はある。そこのジャングルから米比軍の”小野田少尉とその部下”を発見す…

一下級将校の見た帝国陸軍(一、軍人は員数を尊ぶべし)その2

「この員数主義の基盤は”組織の自転”であり、その組織の内部に手が付けられず、命令が浸透しないという現実と、後述するもう一つのことに基因していた。これは入営して、虚心、周囲を眺めれば、だれでもすぐに気づいたはずである。 例えば私が入営したのは、…