読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

2018-12-07から1日間の記事一覧

一下級将校の見た帝国陸軍(組織と自殺)

「自殺の原因や動機はさまざまであろう。また実際には他殺に等しい、強要された自殺もあるであろう。多くの場合、自殺の真因は不明だが、その中で最もわかりにくいものは、この両者の中間にある自殺、いわば本当に自分の意志なのか、実際は他人の意志であっ…

一下級将校の見た帝国陸軍(死のリフレイン)

「私はしばらく川面を見ていた。そのときである。かすかに吹く風に乗って、どこからともなくあのメロディが流れて来た。私は聞き耳を立てた。それは確かに聞いたことのない曲であった。不気味な川の面とこの曲が、何やら強い不安感となって私に迫り、言うに…

一下級将校の見た帝国陸軍(死のリフレイン)

「前にも述べたように、われわれは日没二時間前に、鍾乳洞”天の岩戸”を出た。E曹長は伝令一名をつれて、その一時間前に先発していた。明るいうちに無名河につき、渡河点を偵察するためである。(略) 砲身が九六キロ、砲架が約一〇〇キロ、揺架が確か一一〇…

一下級将校の見た帝国陸軍(死のリフレイン)

「車座の中に立つ二人は、本職ショオ・ダンサーだったのかもしれぬ。兵士にはあらゆる職業人がいるから、それは不思議ではない。この二人がぐでんぐでんになりながら、車座の合唱に合わせ、踊りとももつれあいともつかぬ、奇妙な所作を演じはじめた。そして…