読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

ユヴァル・ノア・ハラリ

ホモ・デウス (上) (第1章 人類が新たに取り組むべきこと)

「死の末日 二一世紀には、人間は不死を目指して真剣に努力する見込みが高い。老齢や死との戦いは、飢饉や疾病との昔からの戦いを継続し、現代文化の至高の価値観、すなわち人命の重要性を明示するものにすぎない。(略) 歴史を通して、宗教とイデオロギー…

ホモ・デウス (上) (第1章 人類が新たに取り組むべきこと)

「ジャングルの法則を打破する 第三の朗報は、戦争もなくなりつつあることだ。歴史を通してほとんどの人間にとって、戦争は起こって当然のものであり、平和は一時的で、いつ崩れてもおかしくない状態だった。(略) ところが二〇世紀後半に、このジャングル…

ホモ・デウス (上) (第1章 人類が新たに取り組むべきこと)

「二世紀後の一七七八年一月一八日、イギリスの探検家ジェイムズ・クック船長がハワイに到達した。ハワイの島々は人口密度が高く、五〇万もの人がいた。(略) クック船長とその部下たちは、インフルエンザと結核と梅毒の病原体を初めてハワイに持ち込んだ。…

ホモ・デウス (上) (第1章 人類が新たに取り組むべきこと)

「生物学的貧困線 飢饉から始めよう。飢饉は何千年も前から人類の最悪の敵だった。最近まで、ほとんどの人が生物学的貧困線ぎりぎりのところで暮らしてきた。(略) 古代のエジプトや中世のインドでは深刻な旱魃に襲われると、人口の五パーセント、あるいは…

ホモ・デウス (上) (第1章 人類が新たに取り組むべきこと)

「三〇〇〇年紀(西暦二〇〇一~三〇〇〇年)の夜明けに、人類は目覚め、伸びをし、目を擦る。恐ろしい悪夢の名残りが依然として頭の中を漂っている。「有刺鉄線やら巨大なキノコ雲やらが出てきたような気がするが、まあ、ただの悪い夢さ」。 人類はバスルー…

ホモ・デウス (上) —— テクノロジーとサピエンスの未来

ユヴァル・ノア・ハラリ著 「ホモ・デウス」(上)を読み始めました。 図書館で借りて読むため、先に順番が回って来た(下)は既に読み終わっています。 先ず 目次を載せておくことにします。 第1章 人類が新たに取り組むべきこと 生物学的貧困線 / 見えな…

ホモ・デウス(下)(第9章 知能と意識の大いなる分離)

「そのようなアルゴリズムが人間の資本家よりも優れた実績を一貫して残せば、アルゴリズムから成る上流階級がこの惑星のほとんどを所有するという結果になりかねない。これはありえないようにおもえるかもしれないが、あっさり切り捨てる前に思い出してほし…

ホモ・デウス(下)(第9章 知能と意識の大いなる分離)

「生身の兵士は予測不能の面を持ち、恐れや飢えや疲労に影響されやすいことに加えて、しだいに不適切な時間スケールで考えたり行動したりするようになっている。バビロニア王ネブカドネザルの時代からイラクのサダム・フセインの時代まで、無数のテクノロジ…

ホモ・デウス(下)(第8章 研究室の時限爆弾 )

「人生の意味 物語る自己は、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短篇「問題」のスターだ。この小説は、ミゲル・デ・セルバンテスの有名な小説の題名の由来となったドン・キホーテに関わる。(略) もしこうした空想を信じているせいでドン・キホーテが本物の人間を…

ホモ・デウス(下)(第8章 研究室の時限爆弾)

「人が経済的な決定をどう下すかを知りたがっている行動経済学者たちも、同じような結論に達している。 正確に言うなら、彼らが知りたいのは、誰がそうした決定を下すか、だ。誰がメルセデス・ベンツではなくトヨタの自動車を買うことや、休暇にタイではなく…

ホモ・デウス(下)(第8章 研究室の時限爆弾)

「もし哲学が実地に試されている所を見たければ、ロボラットの研究室を訪ねるといい。ロボラットはありきたりのラットに一工夫加えたもので、脳の感覚野と報酬領域に電極を埋め込まれている。そのおかげで、科学者はリモートコントロールでラットを好きなよ…

ホモ・デウス(下)(第3部 ホモ・サピエンスによる制御が不能になる)

〇 第三部のタイトルページに書かれていた言葉。 「 人間はこの世界を動かし それに意味を与え続けることができるか? バイオテクノロジーとAIは、 人間至上主義をどのように脅かすか? 誰が人類の跡を継ぎ、どんな新宗教が 人間至上主義に取って代わる可能…

ホモ・デウス(下)(第7章 人間至上主義革命)

「キリスト教は社会的改革や倫理的改革を引き起こしたのに加えて、経済やテクノロジーの重要な革新ももたらした。カトリック教会は中世ヨーロッパの最も高度な管理制度を確立し、文書保管所や目録や時間表をはじめとするデータ処理技術の使用の先駆けとなっ…

ホモ・デウス(下) (第7章 人間至上主義革命)

「電気と遺伝学とイスラム過激派 二〇一六年の時点で、個人主義と人権と民主主義と自由市場という、自由主義のパッケージの本格的な代替となりうるものは一つもない。 二〇一一年に西洋世界で猛威を振るった「ウォール街を占拠せよ」やスペインの15M運動(…

ホモ・デウス(下)(第7章 人間至上主義革命)

「ベートーヴェンはチャック・ベリーよりも上か? 人間至上主義の三つの分派の違いを確実に理解するために、人間の経験をいくつか比較しよう。 経験その1 — 音楽学の教授がウィーン国立歌劇の客席でベートーヴェンの交響曲第五番の出だしに耳を傾けている。…

ホモ・デウス(下)(第7章 人間至上主義革命)

「もちろん、自由主義が国家主義と結びついたからと言って、難問をすべて解決することはとうていできなかった。それどころか、新たな難問が数多く生まれた。共有経験の価値と個人経験の価値をどう比較すればいいのか?ポルカやブラートブルスト(訳註 ドイツ…

ホモ・デウス(第7章 人間至上主義革命)

「ディックスは第一次世界大戦のとき、ドイツ軍の軍曹として軍務に就いた。リーは「ライフ」誌のために、一九四四年のペリリュー島の戦いを取材した。ヴァルターとネイエルスが戦争を軍事的・政治的現象として捉え、特定の戦いで起こったことを私たちに知っ…

ホモ・デウス(下)(第7章 人間至上主義革命)

「戦争についての真実 知識=経験×感性 という公式は、大衆文化だけではなく、戦争のような重大な問題についての私たちの認識さえも変えた。歴史の大半を通じて、ある戦争が公正かどうかを知りたい時には、人々は神にたずね、聖典に尋ね、王や貴族や聖職者に…

ホモ・デウス(下)(第7章 人間至上主義革命)

「これこそ、神は死んだと言った時にニーチェの頭にあったことだ。少なくとも西洋では、神は抽象概念になり、それを受け容れる人もいれば退ける非tもいるが、どちらにしてもあまり変わりはない。 中世には、神がいなければ、人は政治的権威の源泉も道徳的権…

ホモ・デウス(下)(第7章 人間至上主義革命)

「倫理と政治に言えることは、美学にも当てはまる。中世には、芸術は客観的な基準に支配されていた。美の基準は、人間の間の一時的流行を反映することはなかった。むしろ、人間の美的感覚は、超人間的な指図に従うものとされていた。それは、芸術は人間の感…

ホモ・デウス(下)(第7章 人間至上主義革命)

「たしかにセラピストの本棚はフロイトやユングの著作、一〇〇〇ページ近い「精神疾患の診断・統計マニュアル」(GSM)の重みでたわんでいるだろう。とはいえそれらは聖典ではない。(略)したがって、セラピストが患者の情事についてどう思っていようと、ま…

ホモ・デウス(下) ― テクノロジーとサピエンスの未来

〇 ユヴァル・ノア・ハラリ著「ホモ・デウス(下)」を読み始めました。 「サピエンス全史」を読んだ時と同様、図書館に予約し、自分の順番が来て、借りられたのが、下巻からなのです。 本当は、上巻から読みたいのですが、かなりの期間待って、やっと借りら…

サピエンス全史 下   第十四章 無知の発見と近代科学の成立

「過去500年間に、人間の力は前例のない驚くべき発展を見せた。 1500年には、全世界にホモ・サピエンスはおよそ5億人いた。 今日、その数は70億に達する。1500年に人類の拠って生み出された財とサービスの総価値は、今日のお金に換算して、2…

サピエンス全史 下   第十三章 歴史の必然と謎めいた選択 

「交易と帝国と普遍的宗教のおかげで、すべての大陸の事実上すべてのサピエンスは最終的に、今日私たちが暮らすグローバルな世界に到達した。(略) だが、グローバルな社会の出現は必然だというのは、その最終産物が、今私たちが手にしたような特定の種類の…

サピエンス全史 下  26P ~

〇 一応全部読み終わったのですが、抜けていた部分、<自然の法則>のメモをします。 「<自然の法則> インドのジャイナ教や仏教、中国の道教や儒教、地中海沿岸のストア主義やキニク主義、エピクロス主義は、神への無関心を特徴としていた。 これらの教義…

サピエンス全史 下   ― あとがき ―

〇「あとがき_神になった動物」 ユヴァル・ノア・ハラリ著 サピエンス全史 下巻 読み終わりました。読み終わって少し涙がでました。丁度昔、あの「赤ずきんちゃん気を付けて」を読み終わった時のような感動と純粋な気持ちと感謝のようなものが入り混じった…

サピエンス全史 下    第二十章 超ホモ・サピエンスの時代へ

「自然選択はホモ・サピエンスに、他のどの生き物よりもはるかに広い活動領域を与えたかもしれないが、これまでその領域にもやはり限度があった。サピエンスは、どれだけ努力しようと、どれだけ達成しようと、生物学的に定められた限界を突破できないという…

サピエンス全史 下    第十九章 文明は人間を幸福にしたのか 

「過去500年間には、驚くべき革命が相次いだ。地球は生態的にも歴史的にも、単一の領域に統合された。経済は指数関数的な成長を遂げ、人類は現在、かつてはおとぎ話の中にしかありえなかったほどの豊かさを享受している。 科学と産業革命のおかげで、人類…

サピエンス全史 下 第十七章 産業の推進力

「これほどの規模の生産を行えば、製造に必要なエネルギー資源も原材料も尽き果て、今では辛うじて残ったものをかき集めて使っているのではないかと思う向きもあるだろう。 ところが実はその逆なのだ。1700年には世界の輸送手段の製造業界は圧倒的に木と…

サピエンス全史 下 第十六章 拡大するパイという資本主義のマジック 

「だが経済の近「代史を知るためには、本当はたった一語を理解すれば済む。その一語とはすなわち、「成長」だ。」 「歴史の大半を通じて、経済の規模はほぼ同じままだった。(略)西暦1500年の世界全体の財とサービスの総生産量は、およそ2500億ドル…