読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

人間にとって法とは何か

人間にとって法とは何か

「宗教戦争から生まれた宗教的寛容 もうひとつキリスト教文明にとっての大事件は、宗教戦争でした。 プロテスタントとカソリックは、互いに相手を、神に背く悪魔のように考え、殺し合いになったことです。この殺し合いが、たいへん深刻でした。とくにドイツ…

人間にとって法とは何か

「2 世俗法と教会法 ローマ法とキリスト教徒 そこへパウロという人が出て来た。パウロの書いた手紙が「新約聖書」にたくさん収められていますが、彼が「ローマ人への手紙」で言うのには、「地上の権威には従いなさい」。簡単に言うと、法律は守りなさい、反…

人間にとって法とは何か

「パリサイ派と律法 「パリサイびと」は、ユダヤ教内部の改革派として登場しました。キリスト教から見て、保守的でどうしようもないと考えられているパリサイ派自身が、改革派なのです。 彼らはなぜ律法を重視するのか。 律法とは、英語の「聖書」を読むと「…

人間にとって法とは何か

「2 厳密ルール主義 ユダヤ教の厳格さ ではこの契約の中身は何かと言うと、これはユダヤ人の発明なのですが、ユダヤ人社会のルールそのものである。(略) これらは、はじめは暗黙のルールだったかもしれないが、それを全部、ルールブックに書き出してしま…

人間にとって法とは何か

「 第Ⅱ部 法の歴史 ―古代宗教と法 第4章 ユダヤ教と法 1 神との契約 なぜ「神との契約=法」なのか 前章の最後のところで、憲法について話ししました。 この憲法の考え方は、どこからきたか。アジアにはありません。インドにも、アラビアにもありません。…

人間にとって法とは何か

「政府の正統性と憲法 憲法に人権だとか、自由だとか、人民の固有の権利が書き込んであります。この固有の権利は_これは自然法思想に従っているのですが_政府が存在する前からあったものである。 だから政府ができた後でも、これはなくならない。たとえば…

人間にとって法とは何か

「裁判における被告人の権利 (略) 日本人の感覚だと、裁判を受けるのは懲罰にも等しいような恥辱だから、そんなものは権利とはとても思えないわけです。でもこれはリンチなど、法が適用されない事態を防ぐために、裁判を受けない限り有罪にはならないと定…

人間にとって法とは何か

「第3章 近代法の原則とは何か (略) 1 罪刑法定主義 審判も処罰もすべて法(条文)を前提とする 近代法の特徴は、「罪刑法定主義」というものです。(略) フランス革命の前の旧体制(アンシャン・レジーム)というのは、たいへんひどいもので、精神病者…

人間にとって法とは何か

「ルールブックがなぜできるのか 原っぱで、子供たちが草野球をしている。この時には、何がルールかなど考える前に、とにかく三角ベースとかで遊び始めるわけです。で、アウトとかセーフとか、適当にやっている。ときどき、アウトだったかセーフだったか、紛…

人間にとって法とは何か

「2 言語ゲーム(language game)としての法 暗黙のルールと明示化されたルール どんな社会でも、人々は、必ずルールに従って行動しています。それは必ずしも責務を課すルールでなくてもいいかもしれません。とりあえず広津的なルールと考えて下さい。(略…

人間にとって法とは何か

「第2章 ハートの法理論 1 H・L・A・ハート 法律家の社会的地位について ハート(H.L.A.Hart 一九〇七ー一九九二年)という人は、日本ではちっとも有名ではなくて、私も法学部の人と研究会をやっていて、そこで紹介されるまで知らなかったのですが、読んで…

人間にとって法とは何か

「3 法の理性説(自然法) 「神の法」とトマス・アクィナス 法の理性説は、私がつけた名前なので、ふつうに通用する言い方ではありません。ふつうは「自然法思想」と言います。(略) 自然法の「自然」というのがなんなのかよくわからない。ここがポイント…

人間にとって法とは何か

〇 橋爪大三郎著 「人間にとって法とは何か (人間学アカデミー②)」を読んでいます。最近はほとんど本を買うことが出来ないので、持っている本をもう一度読み直すか、図書館で借りるか、古本屋で見つけた本を読むか、のどれかになります。 これは、古本屋で…