読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

日記

私の中の日本軍 下 (「時代の論理」による殺人)

「前章で述べたように、二人の致命傷となったのは「紫金山麓」「十日の会見」の記事である。(略) これらを検討すると、いかなる人間もその時代の一種の「論理」なるものから全く自由ではあり得ないと思わざるを得ない。問題は、ただその「論理」というもの…

私の中の日本軍 下 (捕虜・空閑少佐を自決させたもの)

「従ってもう一度言えば、「この記事は二通りに読めるが、「戦闘行為として読めば虚報であり、戦闘中の行為として読めば非戦闘員虐殺になる」」のである。そしてどちらに読むかによって、二人は「不起訴にもなれば死刑にもなる」のである。 従って、東京法廷…

私の中の日本軍 下 (捕虜・空閑少佐を自決させたもの)

〇「空閑少佐」という名前を初めて聞きました。 ここの文章を読み進めてみても、なんとなくわかるようなわからないような… なので、こちらのサイトを参考にしました。 「wikipedia 空閑 昇」 「順法闘争で記者が「とまる」。だがこの方式を逆にすれば「暴走…

私の中の日本軍 下 (陸軍式順法闘争の被害者)

「私がたえず心の中にあった二人の死をまたありありと思い浮かべる結果になったのは、ある一通の匿名の手紙が契機であった。その人は、浅海特派員と向井少尉の無鍚における不幸な「食後の出合い」の傍らにいたのか、あるいは単に、推理と想像に基づいて断定…

私の中の日本軍 下 (陸軍式順法闘争の被害者)

「もっとも今でも行われているであろう「ハン取りの序列」だって、私の目から見れば全く「下らん」「バカバカしい」の一言につきるが、それすら官僚機構の内部では大問題なのだろうから、軍隊だけがバカげた組織だったとはいえまい。」 〇国が滅びるかどうか…

私の中の日本軍 下 (陸軍式順法闘争の被害者)

〇 この後、山本氏が絡んだ、「抗争事件」について、細かく説明されているのですが、イマイチ、よくわかりません。ただ、前回書いた、「働き方改革」で「残業代なしで労働しなければならない弱者が出る」という絡繰りに似た情況だったのか?、と想像します。…

私の中の日本軍 下 (陸軍式順法闘争の被害者)

「ついで私は部隊長の書簡の内容を説明し、S大尉の意見もきき、それから隣室の高級参謀、作戦主任参謀のA中佐の部屋に恐る恐る入るというのが順序であった。 A中佐は体躯堂々、背が高く肩が張り、大きないかつい顔とギョロリとした目をもつ、絵に描いたよう…

私の中の日本軍 下 (陸軍式順法闘争の被害者)

「「諸君!」連載、児島襄氏の「幻の王国・満州帝国の興亡」を読んでいるうちに、思わず、アッと声を立てるほど驚いた。それは満州事変の首謀者のやったことと私のやったことは、そのやり方の基本図式においては、全く同じだったという驚きである。 もちろん…

私の中の日本軍 下 (軍隊での「貸し」と「借り」)

「私は無事にツゲガラオについた。町は完全な廃墟で、住民は四散していたが、幸い自転車屋兼自動車修理屋のEも、その弟の時計修理屋のAも、カパタンという部落に疎開していることがわかった。 この部落は前にも書いたが、一村こぞって鍛冶屋である。車が通じ…

私の中の日本軍 下 (軍隊での「貸し」と「借り」)

「私がこれはほとんど向井少尉の談話そのものだと感じた理由の一つは、戦場の軍人の感情がはっきり出ているからである。 戦場の軍人は必ず「敵は強かった」という。これは現実に敵と向き合っている人間の実感である。 同時にこれは一つの自慢なのであって、…

私の中の日本軍 下 (軍隊での「貸し」と「借り」)

戦傷は戦死より恐ろしいことであり、特に敗戦・壊滅・撤退という状況においては、ある種の戦死は確かに安楽死であり、負傷、特に足の負傷は、最も残酷な拷問死である。 これは誇張ではない。私のみならずほとんどすべての者が、弾があたるのなら頭部貫通銃創…

私の中の日本軍 下 (戦場の内側と外側)

「「戦争とは輸送である」という言葉は事実である。戦場というものが常に「戦闘」であるかの如く思われるのは、その瞬間しか報道されないからであろう。 たとえば火野葦平氏は、「麦と兵隊」の中で「戦争とは歩くことだ」と記されている。 また「百人斬り競…

私の中の日本軍 下 (戦場の内側と外側)

「こういう点における「日本軍の方針」は全く支離滅裂で、分裂症もいいとこだと言いたいぐらいであった。南方一帯の共通語は、非常にブロークンとはいえ英語である。そして日本軍は南方一帯を占領し、派遣軍は現地で自活さす計画である。 現地自活は輸送路を…

私の中の日本軍 下 (戦場の内側と外側)

「なぜ死体までもって逃げたか。おそらくそれは、彼らが純粋なカトリック教徒であったからであろう。文化様式には理由がないから、何とも致し方ないことであるが、彼らにとって「火葬」とは「火刑」に等しいことであったと思われる。(略) 従って、彼女が、…

私の中の日本軍 下 (戦場の内側と外側)

「確かに、戦場は大変である。しかしそれは、今の表現をそのまま続ければ、「死亡5」には無関心でもラッシュアワーは大変だ、という意味で大変なのであって、人は今と同様、「数」に還元された他人の死は、実際は少しも「大変」ではない。 これにもいろいろ…

私の中の日本軍 下 (S軍曹の親指)

「私は一歩下がって片膝をつき、軍刀を抜くと、手首めがけて振り下ろした。指をばらばらに切るより、手首ごと切った方が良いように感じたからである。がっといった手応えで刃は骨にくいこんだが、切断できなかった。 衝撃で材木から手がはずれ、手首に細いす…

私の中の日本軍 下 (S軍曹の親指)

「こういう場合、ナタか鋸の方が的確な道具であろうが、それは何か遺体に失礼だという気もした。墓を掘り起こすことも、手を引きだすことにも、確かに抵抗はあったであろう。しかしそういうこととは別に、親指を切り離すと二人と私との紐帯が切れてしまうよ…

私の中の日本軍 下 (S軍曹の親指)

「しかしトラックに近づくと、希望的観測は一気に消えていった。駕橋(ボデー)の上にもトラックの下にも周囲にも、折り重なって死体が散乱していた。特に駕橋(ボデー)の上の死体は、手足が千切れて散乱し、目も当てられない惨状であった。ハエの大群はす…

私の中の日本軍 下 (S軍曹の親指)

「なれとは恐ろしいものである。彼らが出発して三十分たたぬうちに敵機が来襲したが、それは「日課」で、だれも気にとめなかった。ロッキードの双胴地上攻撃機六機が頭上を通過すると同時に、バリバリという物凄い音がした。しかし機銃掃射は、頭上で音がし…

私の中の日本軍 下 (S軍曹の親指)

「昭和二十年二月、フィリピンにおける情勢はもう極度に悪化していた。というより、絶望的と言った方が良いだろう。日本軍の保持しているのはすでに中部の山岳地帯と東地区三州_カガヤン州、イサベラ州、ヌエバビスカヤ州にすぎなかった。 平地はすでにこの…

私の中の日本軍 下 (S軍曹の親指)

「「百人斬り競争」を徹底的に調べられた鈴木明氏が非常に興味深いことを述懐しておられる。(略) <彼は向井少尉には好感を持っていないことを、はじめから明らかにしていたが、こと「百人斬り」の話になると「そんなこと誰が信じてるもんですか」といい、…

私の中の日本軍 下 (白兵戦に適さない名刀)

「さらに「南京事件」がマスコミに大きく取り上げられたころ、新聞が、雑誌が「何人斬り」とかの体験者なる者を登場させていろいろ証言させたらしい。私はそれを読んでいないが、ある人から「山本さん、ああいうことが本当にありうるのか」と訊かれて少々驚…

私の中の日本軍 下 (白兵戦に適さない名刀)

「前号で成瀬関次氏の「戦ふ日本刀」についての三氏のお手紙を紹介したところ、小平市のH氏から、文芸春秋経由で、その本を一部お送り頂いた。(略) それは「言論統制下の発言をどう読むか」という問題なのである。(略) この本も同じように「日本刀を礼賛…

私の中の日本軍 下 (日本刀神話の実態)

「まず、戦犯という問題が発生する以前に、二人がこの「百人斬り競争」について個人的に何を語ったかである。この点、向井少尉は時には粗暴ともいえる態度で「ノーコメント」で押し通したらしく、彼が直接に語ったと思われる言葉は、未亡人の次の言葉だけで…

旧約聖書 伝道の書(コレヘトの言葉)

「第十二章 あなたの若い日に、あなたの造り主を覚えよ。悪しき日がきたり、年が寄って、「わたしにはなんの楽しみもない」と言うようにならない前に、また日や光や、月や星の暗くならない前に、雨の後にまた雲が帰らないうちに、そのようにせよ。 その日に…

旧約聖書 伝道の書(コレヘトの言葉)

「第九章 わたしはこのすべての事に心を用いて、このすべての事を明らかにしようとした。すなわち正しい者と賢い者、および彼らのわざが、神の手にあることを明らかにしようとした。愛するか憎むかは人にはわからない。彼らの前にあるすべてのことは空である…

旧約聖書 伝道の書(コレヘトの言葉)

「第八章 だれが知者のようになり得よう。 だれが事の意義を知り得よう。 人の知恵はその人の顔を輝かせ、 またその粗暴な顔を変える。 王の命令を守れ。すでに神をさして誓ったことゆえ、驚くな。ことが悪い時は、王の前を去れ、ためらうな。彼はすべてその…

旧約聖書 伝道の書(コレヘトの言葉)

「第四章 わたしはまた、日の下に行われるすべてのしえたげを見た。見よ、しえたげられる者の涙を。彼らを慰める者はない。しえたげる者の手には権力がある。しかし彼らを慰める者はいない。それで、わたしはなお生きている生存者よりも、すでに死んだ死者を…

旧約聖書 伝道の書(コレヘトの言葉)

「第三章 天が下のすべての事には季節があり、すべてのわざには時がある。 生まるるに時があり、死ぬるに時があり、 植えるに時があり、植えたものを抜くに時があり、 殺すに時があり、いやすに時があり、 こわすに時があり、建てるに時があり、 泣くに時が…

旧約聖書 伝道の書(コレヘトの言葉)

〇 青春期、自己流に聖書をかじり始めた時、最初に心に残ったのが、 この「伝道の書」でした。聖書と言えば、「善いことが書いてる本」と漠然と思っていた私は、こんなにも悲観的な言葉が並んでいるのに圧倒されました。 そして、その頃の自分の気持ちに近い…