読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

日記

ふしぎなキリスト教 あとがき

〇 「ふしぎなキリスト教」のメモを終わります。 最後に、橋爪大三郎氏の「あとがき」もとても良かったので、少し抜き書きします。 「あとがき なぜ、日本人は、キリスト教を知らないといけないのか。キリスト教を理解すると、どういういいことがあるのか。 …

ふしぎなキリスト教  17 キリスト教文明のゆくえ

「O 言い換えれば、僕らは、自覚しているかいないかは別として、キリスト教的な世界観が深く浸透した社会を生きているわけです。 それでは、今後、キリスト教の影響を受けているこの社会はどうなるのか。これが最後にお聞きしたい質問です。(略) そういう…

ふしぎなキリスト教  16 無神論者は本当に無神論者か?

「O 神を信じてはいないと信じていることと、実際に信じていないこととは別のことではないか。そう考えると、無神論とは何か、ということはけっこう難しい問題になります。 橋爪さんは、宗教社会学についての著書の中で、宗教とは何かということについて、抽…

ふしぎなキリスト教  15 近代哲学者カントに漂うキリスト教の匂い

「O カントは18世紀から19世紀にかけて生きた人です。(略)フランス革命の同時代人であり、典型的な近代哲学者と言っていいでしょう。(略) さて、カントは、ものすごく厳格なプロテスタントでした。生まれ育った家庭も、厳格なプロテスタントだった。…

ふしぎなキリスト教  14 芸術への影響

「O もっと具体的に言えば、絵画における遠近法とか、音楽における調性や平均律。こうしたものは、直接的には宗教的な価値を持っているわけではないし、キリスト教そのものよりもずっと新しい。それらは、西洋で生まれ、世界中に受け入れられて行きました。 …

ふしぎなキリスト教  13 世俗的な価値の起源

「O 例えば、主権とか、人権とか、近代的な民主主義などは一般に、宗教から独立の、あるいは宗教色を脱した概念だと見なされている。実際、イスラム世界のどこかの国が、イスラム教に忠実な制度や政策をとると、西洋をはじめとする諸国は「そんな神権政治の…

ふしぎなキリスト教  12 自然科学の誕生

「O すでに述べたことですが、このように、キリスト教の影響というのは、まったくキリスト教的ではないかたちで、あるいはキリスト教そのものを否定するような形で発現することがよくあります。 資本主義の精神はその一例ですが、もっと端的な例は自然科学…

ふしぎなキリスト教  10 予定説と資本主義の奇妙なつながり

「O (略)カルヴァン派というのは、プロテスタントのあり方の最も徹底したヴァージョンです。宗教改革はルターに始まった。ルターはまさに勇気ある一歩を踏み出したわけですが、後から登場したカルヴァンから見ると、少し不徹底なところがあった気がします…

ふしぎなキリスト教  9 宗教改革_プロテスタントの登場

「O まず素朴な質問として、プロテスタントとカトリックはどこが一番違うんですか、と聞かれたら、どう言うふうに答えるのが正解になりますか? H 宗教改革の主題をひとことで言うなら、神からのものと人間のものを分けること。それによって、神と人間との関…

ふしぎなキリスト教  8 なぜ神の存在を証明しようとしたか

「O おそらく中世の神学者・哲学者はイスラムから逆輸入する形でアリストテレスを再発見した時、アリストテレスの哲学の緻密さに驚いたことでしょう。で、それと同じような水準で教義の研究をするようになって行って、哲学がどんどん発達してくるわけですけ…

ふしぎなキリスト教  7 ギリシア哲学とキリスト教神学の融合

「O 僕らは今、キリスト教の影響について考えています。しかし、それを考えるには、第一部の最期に議論したように、意識レベルでの信仰だけを見ていてはダメなんですよね。(略) 私はまったく宗教に関心がないよ、教会には行かないよ、と言っていても、無意…

ふしぎなキリスト教  6 イスラム教の方がリードしていた

「O すでに何度も話題になっていますが、イスラム教は、一神教の伝統の中では、最後に出てきたものです。(略) 非常に大づかみな印象ですが、僕には、キリスト教よりイスラム教の方が明快だし、首尾一貫性が高いように見えます。(略) 聖典に関しても、新…

ふしぎなキリスト教  5 聖なる言語と布教の関係

「O ローマ教会は典礼言語をラテン語に限りました。(略) ところで、聖なる言語と布教について考えてみると、対照的な二つの戦略があるように思います。(略) 整理すると、一方の極に現地語をどんどん使って布教をしていった東方正教があり、他方の極には…

ふしぎなキリスト教  4 世俗の権力と宗教的権威の二元化

「O この対談の主題、つまり近現代を規定した主要な因子としての西洋という主題との関係では、西側のキリスト教(カトリック)の方が関心の中心になります。今日振り返ってみると、それだけ、西側のキリスト教が定着した地域の文化の歴史的な影響力が圧倒的…

ふしぎなキリスト教  3 ローマ・カトリックと東方正教

「O さて、ここまで「キリスト教」と一括して呼んできましたが、ほんとうは大きく二つの流れがあることを押さえておかなければなりません。 日本人がキリスト教についてイメージするときに、どちらかというと中心にあるのは、カトリックですね。 これは、ロ…

ふしぎなキリスト教  2 教義は公会議で決まる

「H 一神教の特徴は、「人間のもの」と「神のもの」を厳格に区別する。そして、「人間のもの」に権威を認めないことです。ところが、どうしてもある「解釈」(人間のもの)を下さないと教会が集団としてまとまらなくなる。ではどうする? 聖書の編纂はすんで…

ふしぎなキリスト教  第3部 いかに「西洋」をつくったか  1 聖霊とは何か

「O キリスト教は成立後、いろんな形で社会に浸透し、人々に影響を与えながら、言ってみれば「西洋」を作って行きました。しばしばいわれる「グローバリゼーション」も含めて、近代化というのは、見方によっては地球的・人類的な規模の西洋化みたいなところ…

ふしぎなキリスト教  19 初期の教会

「O 高校で世界史を勉強していれば、ローマのコンスタンティヌス帝が313年にキリスト教を公認し(ミラノ勅令)、392年にテオドシウス帝が国教化したことは知っているわけですけど、それはどういう経緯だったんですか? はじめ、ローマ帝国はキリスト教…

ふしぎなキリスト教  18 キリスト教をつくった男・パウロ

「O さて、もう何度か言及されているけれど、まだ十分に主題になっていないのはパウロですね。実は、ぼくらはすでに、パウロが言ったこと、パウロの作った教義を前提にしながら、キリスト教について論じています。 考えてみると、キリスト教をキリスト教にし…

ふしぎなキリスト教  17 不可解なたとえ話3 マリアとマルタ・カインとアベル

「O まだまだあるんですが、よろしいですか?(略) H どうぞどうぞ。 Oそれは「マリアとマルタ」の話です(ルカ10章)。(略) そうしたらイエスは、マルタに「お前はどうでもいいことばっかり気にしている」「大事な事は一つだけだ、マリアはいい方をと…

ふしぎなキリスト教  16 不可解なたとえ話2 ブドウ園の労働者・放蕩息子・九十九匹と一匹

「O 次に紹介する「ブドウ園の労働者」というたとえ話はもっと有名です。(略) H これは有名なエピソードですね。夕方雇い入れた人は一時間ぐらいしか働いていない。賃金を払う段になって、「後から雇った者から払ってやりなさい」と主人が言った。夕方雇い…

ふしぎなキリスト教  15 不可解なたとえ話 1 不正な管理人

「O 橋爪さんは福音書を読んでいて、首をかしげることはないですか?イエスの発言に関して、いくらなんでもこれはおかしいだろうと思う事が僕は時々あります。 H そういうことを、どんどん挙げてみましょう。 O じゃあ、最も不可解なものからいきますね。(…

ふしぎなキリスト教  14 ユダの裏切り

「O もし人類の歴史の中で最も影響力の大きかった出来事を一つ挙げろと言われたら、僕は、イエスの処刑だと思うんです。たった一人の人間の死が、結果的には人類史に圧倒的な足跡を残し、いまでも大きな影響を及ぼしている。(略) だから他の使徒もあまりか…

ふしぎなキリスト教  13 イエスは自分が復活することを知っていたか

「O いったい、どちらなのでしょう?イエスは復活を知らずに殺されたのか、知っていてとりあえず殺されたのか。 H たしかにここは、キリスト教理解の急所のひとつです。 マトリョーシカの話を思い出して下さい。その一番内側には、歴史的実在としてのイエス…

ふしぎなキリスト教  12 贖罪の論理

「O でも、ふつうに考えてみると、なぜキリストが死んだら人間の罪が贖われたことになるか、実はよくわからないのです。 H このことは聖書に、はっきり書いてありません。なぜ書いてないのか?当たり前すぎると思って、書いてないのかもしれない。よくわから…

ふしぎなキリスト教  11 愛と律法の関係

「O 橋爪さんが今話されたように、律法のゲームから愛のゲームへの転換が、新約と共に実現するわけです。 この愛のことを、「隣人愛」という。「隣人」と聞くと、身近で親しい人のことだと思うかもしれませんが、そうではない。 罪深い人とかダメな人とかよ…

ふしぎなキリスト教  10 歴史に介入する神

「O 神が天地創造をして、そのあと、最後の審判の時まで出て来ないのであれば、わかります。ところが、キリスト教の場合には、神そのものが歴史の中に入ってきて、被造物のように振舞っている。 イスラム教の場合は、そういう不可解なことが出来るだけ起きな…

ふしぎなキリスト教  9 キリスト教の終末論

「O 「神の国」とはいったいどういうものなんですか?(略)というわけで彼らから見ると、どうやら神の国が近づいているらしいのだけど、それが何だかわからない。 そして、どこにあるのかもわからない。わからないから質問すると、「神の国はどこかにあるも…

ふしぎなキリスト教  8 イエスの活動はユダヤ教の革新だった

「O 聖書に、イエスは「権威ある者のように教えたので人々が驚いた」とありますね(マルコ1章22節)。この「権威ある者のように」というのは、イエスが神のように語った、という意味だと思うのですが、いかがでしょうか?(略) H いや、「権威ある者」と…

ふしぎなキリスト教  7 「神の子」というアイデアはどこから来たか

「O まず、「神の子」は何でないか、ということから、逆に、神の子の本質に迫りたい。例えば、日本人が一番陥りがちな勘ちがいとして、「イエス・キリストはキリスト教の教祖です」というような解釈はあり得ると思うんです。(略) H イエスは、旧約聖書を「…