奇病が発生し、「中央政府」に支援を求めるシーン。あの3.11が思い出されまし
た。
どっちが先だっけ?って思ったのですが、この物語の方が先なんですよね。
というのも、こうして物語として読んでいると、西華村の人々というのが、片田舎の
「極一部」の人々だと感じられて、「そんなことの為に」中央政府を動かそうとする
秀麗と影月が勇み足のように思える私が居ました。
これって何なんだろう。「村の人々」というのがあるのっぺりとした単なる「数」で
しかなく、彩雲国の為に地方を平定するのは官吏の仕事だけれど、地方の極一部の人
のために、そこまで必死にならなければならないものなのか?と感じながら読んでい
る自分が居たのです。我ながら少しショックでした。
私のようなタイプの人間が官吏になると、単なる中央政府の手先でしかない役人に
なるのだろうな、と思います。
官吏になった動機が、一人ひとりの隣の住人の苦しむ顔と直結している、
この秀麗と影月。
とてもとても重大で真っ当な問題をテーマにしているなぁと、そんな部分にも
感動します。