「地獄の沙汰も君次第」 読み終わりました♪
楽しかったです。
もちろんこんな黎深のような人はいないと思います。
でも、人とうまくコミュニケーションをとれないタイプの人は
間違いなく居て、私自身も20代の頃はそっち系の要素の方が、
圧倒的に多かったような気がします。
なので、この黎深の孤独やそれを心配する百合の気持ちは
とても身近なものに感じられました。
この百合が何故二つの名前を持つことになったのか。
想像以上にドラマチックで、でも、考えてみるとありそうな話で、
こんなストーリーを紡ぎ出すって、またまた「すごい!」と言いたくなります。
百合の「兄」はかの悪名高き戩華王。
そして、母親は紅玉環。劉輝や靜蘭は甥にあたるんですね。
多分、やっぱり私はこの本を読んでいなかったと思います。
ぶたさん貯金箱を壊したのは、黎深で、その気持ちを察した邵可が
揺銭樹を育てるようにアドバイスする物語が、一番最後の種明かしの
ように語られていて、ニコニコと嬉しくなりました。
百合の言葉。「…黎深ぼくからひとつだけ忠告。………君の人生に絶対に必要なもの
だから。」
この忠告に従って黎深の向かう先が、当の百合だった…という展開も
ロマンティックで、少女小説ならではの嬉しい結末。
鳳珠だけがちょっとかわいそうでしたけど、
でも、この小説を読むと、「青年」って私が「少女」の頃に思っていたより、
ずっと純情で内気で気が弱いみたいで、驚きでした。
まぁ、今は、息子を育てた経験から、男の子ってこんなにも繊細なんだ~と
分かっていますが、あの頃は、全くそうは思っていませんでした。