楸瑛 「夢を見たいんですよ。現実になった夢を。あなたたち先を行くものの
現実は、私たちにとっての未来だ。追いかける価値のあるもので
あってほしい。いつも。最後の最後まで。」
でも、これがイマイチうまくイメージ出来ません。
「絶対的な渇仰と、触れることさえためらわれる高貴な威厳。
恋するような甘さなどなく、跪きたいと思わせる容赦のない魅力。」
これが瑠花。
「…変われないものがある。それでも、大事なことも、伝えたいことも、
願いも、ある。伝えずにすます理由にもならない。」
羽羽 「いつかきっと帰ってまいります。この美しき天空の城、
あなたのお好きな夕暮れ時に。それまでしばしのお別れをお許しください。」
「……。…昔。同じような顔をして、縹家から外へ出て行った男がおったわ。」
ここで瑠花が思い出しているのが羽羽。
カップルとしてイメージ出来ないと思いながらも、読み進むうちに、
瑠花が羽羽を待っているという切ない想いが伝わってきます。
そして、楸瑛の珠翠に対する想いに重なります。
夢…人はそんな風に何十年も同じ情熱で一人の人を想い続けられるもの
なのか。
何を見て生きるかによるのかな。
例え歪んでしまったとはいえ、瑠花には「縹家を守る」という志がある。
羽羽にもまた、自分のすべきことがある。
「…時がたち、瑠花ではない別の主を選び、その男に跪き、
瑠花に弓を引いた。」
ここには、ただ男と女の部分で惹かれ合うということ以上のものが
あるように見えます。
そして、私も多分、そこに惹かれているのだと思います。