読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

一緒にいてもひとり-アスペルがーの結婚がうまくいくために-

「たまにいい気分なのに、何でそんなことを持ち出すんだ。

きみは過去にとどまって惨めでいるのが好きなんだ。

ぼくをきみのレベルまで引っ張り下ろすのがきみは楽しいんだ。

きみがこんな気の滅入る話ばかりするから、結婚がうまくいかないんだ。

きみの泣き言にはうんざりだ。」

これがギャビンの言葉。

でも、日頃のギャビンの仕打ちは、どうかと言えば…

例えば、出産から5日後、カトリンが数時間の外出を許可されたので、

洋服を持ってきて欲しいと頼むと、ギャビンは、ピッタリのジーンズと

Tシャツを持ってきました。

キツキツのファスナーを上げ、歩き始めても痛くて歩けません。

それに対し、ギャビンは「もう少し急いで欲しい」とイライラして言います。

「痛みがあるのでこれ以上早くは歩けない」とカトリンが言うと、

ギャビンは「泣き言を言うな」と言ったそうです。

酷すぎます!!


だからこそ、カトリンはちゃんと話し合い、自分の気持ちを分かってもらい、

ギャビンに思いやりを持ってもらいたいと思ったのだと思います。

でも、そうしようとすると、今度は、気の滅入る話はするな、

泣き言はうんざりだ、と言う。

なんて酷い人間だろうと思います。

でも、結局それは「アスペルガー」というタイプの人特有の問題に由来するもの

だった、ということがわかりました。

これはある意味で、本当に幸運なことだったと思います。

こんな「酷い人」がいる…で終わらず、何故そんな「酷い人」になっているのか、

という所に焦点を当てて、そこを解明したおかげで、ギャビンが「酷い人」なのは、

ギャビンだけの責任ではなく、そう生まれついてしまったからなのだ、ということ

が、ハッキリしたのです。

例えば、生まれつき脚が不自由でうまく歩けないのは、その人のせいでは

ありません。

生まれつき知能が遅れているのも、その人のせいではありません。

生まれつき病弱なのもその人のせいではない。

でも、ことが人格とか性格に係わってくると、どうしてもその人のせいになる、

というのは難しい問題だと思います。

私は思うのですが、多くの人間が多かれ少なかれ、

このアスペルガーっぽかったり、統合失調症っぽかったり、欝っぽかったり

していないでしょうか。

というのも、実は私自身が、かなり自閉症っぽい人間ではないか、と

思うフシがあるのです。

カトリンさんは「私は結婚がうまくいっていないすべての人のために

この本を書きました。」と書いています。

アスペルガーの伴侶を持つ人のために書きました」ではなく。

この本にはいろいろな意味で、

人と人がなんとかうまくいくための闘争と知恵があると思います。

カトリンさんのその姿勢がとってもすごいなぁと感心します。