「ギャビンは一見思いやりのない行動をとりますが、
人を傷つけるつもりはありません。心の理論がない。失敗を恐れる。連想が
止まらない。事態を予想できないという理由でストレスが
非常に高まっているのです。」
「彼の敏感さは驚くほどですが、それゆえ疲れるのでしょう。」
カトリンは冷静にギャビンの置かれている状況を見ます。
こういう見方というのは、どこから出てくるのかなぁと思います。
ギャビンは冷たく思いやりのない人。
普通そう決め付けて、それで終わりになるような気がします。
結婚前はあんなに優しかったのに、結婚したらコロッと変わってしまった、と。
アスペルガーと診断されなかったら、カトリンはギャビンのこの「おもいやりの
なさ」を許せなかったのかなぁ。
実は私はそこにすごく興味があります。
というのも、昨日も書いたように、アスペルガーと診断される人と
そこまではっきり診断はされないけれど、かなりそれっぽい人との間には、
どの程度の違いがあるんだろう、と思うのです。
私自身、子供の頃、友人から、
「自分の話はするのに、人の話は全然聞いてない感じがする」
と言われたことがあります。
ギャビンが、「人といるといつも地雷を踏むのを恐れるような気持ちになる」
とありましたが、私もその気持ちがとてもわかります。
人とうまくやる為に、どう感じ、どう考え、どう行動するのが正しいのか、
その方法を「認知行動療法」的に身につけてきた結果、
今、私はなんとか人とそれなりに付き合って、普通の人のように見られて
居ます。でも、本当は人と関わるのがすごく苦手です。
心の底はメチャメチャ冷たいようにも思います。
アスペルガーと診断されていれば、それは本人のせいではない。
でも、その診断がない普通の人間ならば、心の冷たさは本人のせい。
その境目は??
と考えたりします。