この本を読んで思ったこと。
もし誰もがこのカトリンがギャビンに対してした忍耐と洞察と
解決のための努力をすることが出来たら、かなりの人が
孤独から救い出されるだろうなと。
でも、それは文字通り自分の存在全部をかけてしなければならないこと。
とても難しい。でも、そこまでしてでも、成し遂げる価値のあるものだと
思いました。
最初に載っていた「サボテンとバラ」がとても分かりやすく、
この本の内容を表しています。
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遠いむかし、私はバラで、あなたは美しく、強く、頼りになるサボテンだった。
あなたの姿、強さ、自信がとても気に入った私だったが、一緒に砂漠に住むのは
難しいと気がついた。
自分に合わせて欲しいとあなたは私の緑の葉を切り始めた。砂漠の土は乾いて、
気候はきびしく、私は水がほしくてたまらなかった。生きていくために。
少しずつ私はしおれ、花は落ち始めた。
手入れされた花壇の土、肥料、色とりどりの植物、すべてが恋しい。でも、もう
花壇という環境にはなじめそうになかった。
残っていた葉は少しずつたくましくなり、私はまるでサボテンのよう。
目のくらむ太陽も砂あらしも気にしなくなった。喉の渇きも忘れた。
何も感じなくなった。砂漠で暮らすにはその方がかんたん。でも、ときには、
朝、にわか雨の後に感じる、葉っぱに残ったしずくの気持ちよさや、
通り過ぎる蝶の優しい感触を思い出した。
砂漠であなたのとなりにいるのは変な感じ。私はあなたがサボテンとは知らず、
そんな植物が存在することも知らなかった。
訳のわからなくなった私はあなたをバラに変えようと一生懸命だった。
あなたにはとてもつらいことだっただろう。あなたがバラになろうとし、
バラのように振る舞っているかぎり、私とほかのバラはあなたを愛した。
でも、あなたがサボテンらしく振る舞えば、みんなはあなたの側を
去っていった。
とうとう、あなたはあきらめて、どの花壇も避けるようになった。
サボテンの方がずっと自分らしい。みんなの期待するものになれなくて
恨みだけが残ったのに、どうして自分は努力しなくてはならないのか?
自分一人でいるほうがずっと心地よいとわかって、あなたは孤独に戻っていった。
ほかのバラたちは私から目をそむけ、仲間はずれにした。相通じるものが
何もないから。私はやっかいなしおれた植物、一緒にいてもたのしくない。
バラたちは肥料のことや私には縁のない話に明け暮れていようとした。
だから私は孤独に暮らすあなたの仲間になり、自分の中にある強さを
引き出すことができた。
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次回に つづく