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つづき
やがて、私は色とりどりの花壇にいた頃が恋しくなった。
あなたがずっとサボテンであるように、私はずっとバラだから。
ある日、サボテンの本を見つけた。あなたにも読んでもらうと、
そこに書いてあることがあなたにぴったり当てはまると二人の意見は一致した。
自分は変種のバラではない。美しく、強く、へこたれないサボテンだとわかって
あなたはとても安心したようだった。
サボテンには別の愛情の示し方があると知って私も大喜びした。
寒々しい孤独を感じていたころ、本当はあなたに大事にされていた。
私にはわからなかっただけ。
サボテンの本はたくさんある。でもバラの専門書はない。
約束しよう、サボテンが何を欲しがり、何を喜ぶのか、あきらめずに
わかろうとすることを。
私の望みは、あなたがバラのことを知ろうとし、バラの私を認めようという
気持ちになってくれることだけ。あなたがあなたでいたいように、
私も私でいたい。二人が同じ植物になってしまうより、
違いを受け入れられるようになろう。
初めて会ったとき、私はあなたのサボテンらしい強さに見とれ、
あなたはきっと私の色鮮やかな花びらにうっとりしただろう。
私は前ほど花いっぱいではないけれど、土に根をしっかりおろし、少しの水と
肥料があれば、また花を咲かせるだろう。
お互いを大切にしあえば、二人の関係を特別なものに変えられる。
そして、子どもたちはバラの野生と繊細さと、色鮮やかさだけでなく、
サボテンの頼もしさと、強さと、人の心を惹きつけるところを
併せもって成長するだろう。
あるがままに日々を過ごし、それを楽しもう。
カトリン・ベントリー
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「約束しよう…あきらめずにわかろうとすることを。」
「あるがままに日々を過ごし それを楽しもう」
この中にも「バラの専門書はない」、とあったけれど、
その人がバラだと思われている限り、
簡単に「ダメな人」「冷たい人」と決め付けられる。
バラ同士でも、
「あきらめずにわかろうとしあう」
「あるがままに日々を過ごせるように(許しあう)」
そうなれないものかと思いました。