読み終わりました。
面白かったです。難しい漢字はわからないままに飛ばして読んでいたので、
ちゃんと調べてもう一度読み直したいと思っています。
訳の分からない物語展開です。よくこんな物語が出てくるなぁと
びっくりです。
でも、いつも思うのですが、
なぜか、これってひょっとしてこういうことなのかな?
って思うところが出てきて、そこを考えながら読むと、全然見当違いなのかも
しれないけれど、面白いのです。
以前、町田康の、あれは「きれぎれ」の文庫本(だったかな…違ってるかも)に
言っていました。
でも、私にはなんのことやらさっぱりわかりませんでした。
実際に町田康の実家が没落したとかいうことではなく、どうやら、「没落者」
として、色々表現しているのだ、という意味のようでした。
でも、今回そこの所がふとわかるような気がしました。
というのも、つまり、ちゃんとした「正しさ」が破壊されてしまい、
何が正しいのかわからない世界を生きる人の混乱がヒシヒシと伝わって
来たのです。
そういう意味で、「没落者」=今までの正しさを失った者=現在の日本人
そういうことなのかな、と思いました。
ただ、最後の方にあった一行、
「覚者の智慧を得たら人は大虐殺を始めるしかない」
という言葉は、かなりのインパクトがありました。
「覚者」という言葉はもともと仏教の言葉のようですが、
覚者ではない凡人は得体の知れない不気味さを感じました。