読んでいると、それなりに面白いのですが、
でも、ドラマチックな盛り上がりがある…というような小説ではないので、
いつでも読むのをやめて、放り出してしまえるような、そんな
感覚があります(^^;。
それで、ふと思い出したのが、土屋賢二の本です。
中学の時の同級生で、その後も年に一度位のペースで会ったりしている
友人が、この人の本が面白いと言ってました。
もちろん、学生っぽい感覚という意味では庄司薫なのでしょうけれど、
言葉をそのまま真っ直ぐに受け取っているだけではダメ、
という感じが、土屋賢二だと思いました。
弟や妹に対する愛情は、とても真っ直ぐに語られるのですが、
周りの人々、隣の部屋のアクリーやスペンサー先生に対しては、
少しも好意的な言葉が書かれていないにも関らず、チラホラと
微妙な好意が滲み出ているような、いないような感じがあります。
そしてその感覚が多分友人には嬉しいのではないかと思いました。
実は、その友人自身にも少しそういうところがあります。
なぜ、娘は私にこれを勧めたのだろう、と考えながら読んでいたのですが、
娘にとってもそこが良かったのかな、と思います。
でも、私自身は、それほど高度なウィットを理解できる人では
ないようで、どちらかというとあのアクリーに似てるタイプではないかと
思いました(^^;。