第2部 予言する鳥編のラストがなかなか感動的でした。
真っ当そうなオカダ・トオルが次々と真っ当ではないことをしている
興味深さはあっても、クミコとの関係にしても、笠原メイとのことにしても、
ただ、様々な出来事が淡々と続いてゆく物語に、何か私の感覚には合わない
ものを感じていました。
私は、どうしても、意味とか価値の基準とかを求めずにはいられない
タイプの人間らしく、ただ楽しい、ただ面白いというのが、どうも苦手です。
でも、この第2部の最後では、少しそれっぽい(意味を求めるような)
流れになって来てきました。それで、ホッとしました。
でも、第3部が始まると、またまた面白いエピソードが次々と
語られていきます。
この先、一体どうなっていくのか、全く予想もつきません。
それで、ふと思ったのは、あの三谷幸喜が、ある番組の中で言ってた、
「笑った後に何も残らない喜劇を創りたい」という言葉です。
この物語も結局、ただ面白かった…で終わる物語なのかなって心配になります。
何かあるように見えて、そこはどうにでも見える…というお話。
私は、多分頭が固い子どもなのでしょう。何も残らないのが、
どうしてそんなに素敵なのか、どうしてもわかりません。