読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

精神の生活 上

「思考が欠如していることが愚かだというのではない。思考の欠如は
きわめて知的な人びとにも見いだされるし、邪悪な心はその原因ではない。
たぶん、反対なのであって、悪は思考の欠如によって引き起こされるのだろう。」
 
 
○読んでも読んでもよく意味がわからないことが多すぎるので、
多少なりとも心に引っかかる部分だけ、抜書きしていきたいと思います。
 
 
 
「この世界のなんであれ、誰であれ、それが実際に存在するためには、かならず、
観察者[観客]が必要なのである。」
 
○これがイマイチよくわからない。誰も知らないし見たこともないけれど、
あれだけ大きな森ならば、多分必ずなんらかの鳥や虫がいるに違いない…
というのは、実際の存在とは言えないのだろうか。
 
「人間なる抽象体がこの惑星に住んでいるのではなく、人々が住んでいるのである。
複数であることがこの世のおきてなのである。」
 
「生命体の世界とは、つまり、同時に客体でもないような主体は存在しないということを意味している。」
 
ユダヤ人がある日突然、ただ「ユダヤ人」という括りで収容所に
送られたように、ペットショップの犬も売れ残ればただの「廃棄物」にされるし、
日本国民も政府によって「税金を取られる対象」になる。
 
このハンナ・アーレントはもともと政治哲学の分野で活躍していた人らしいので、
自分一人で生きているつもりでも、そうはいかない、ということを言ってるのでしょうか。
 
「我々のこの世界で、ほとんど無限にさまざまな形で世界が現象すること、しかも
その世界が見られたり、音を聞かれたり、においをかがれたりするということが、
端的に価値のある楽しみであることほど驚くべきことはたぶんほかにあるまい。」
 
○この文章を読むと、芸術や料理などが思い浮かびました。
 
 
アリストテレスは我々の身体の器官によって与えられる快楽を
 享受する生活について論じていた。
 
 ・その生活が必要にせまられることがない人、美しいものに熱中できる人が
  選ぶ生活様式
 
「皆が知っているように、年齢をとればとるほど、年月はどんどん早く過ぎていく。
そして、ついには老年が近づくにつれ再びゆっくりとしたスピードとなる。」
 
○現在私は「老年が近づいて」いますが、まだ、ゆっくりとしたスピードに
なってきた感じがありません。まだ、老年は近づいていないのかな…(^^;