読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

精神の生活 上

「カントの言葉でいえば、「世界を現象としてみると、現象でないなにものかが
実際に存在することが明らかになる」、いいかえれば、哲学者が感覚に与えられる
世界に決別して精神の生活へと方向転換する際に、現象の世界を手掛かりとしながら、
その下にある審理を説明してくれるようなものを探し求めていくのである。」

「カントがいっているように、現象は「それ自身現象でないものに根拠を
持たざるをえない」という思想がそれである。」


「現象が優位に立っているということは、科学者も哲学者も逃れることのできない日常生活の事実であり、研究や思索の末にいつもそこへと立ち戻らなければならないのである。」

「原因が結果よりも高い地位にあるものだという思い(したがって、結果はその原因
にまで引き戻すことによって、容易にその価値を低めてしまうは、もっとも古くから
あるたちの悪い形而上学的な誤謬のひとつである。」


「分かったのは、だれも「原因」のなかで生きることはできないし、実験室では
科学的に証明でき、テクノロジーの駆使によって現実の世界でも本当であると
実践的に確かめられたりできるような存在を、日常の人間の言語で十分に
説明できないということなのである。」


「論点がずらされてしまったのである。現象はもはや「従属的な性質」だと
価値を低められず、生きた有機組織の内部で進行する本質的な過程に必要な
条件と考えられるのである。」


「このような逆転とあわせて、ポルトマンは、「真正な現象」と「真正でない
現象」とを区別する。その場合、前者はおのずと明らかになるが、後者については、
これが見えるようになるのは、植物の根や動物の内臓器官のように「真正な」
現象に干渉され侵入されることによってなのである。」

○正直に言って、言ってることがほとんどわからない…(^^;
「植物の根や動物の内臓器官」という例から、おそらく外から見てほとんど
見えなかったりわからないものも、現象としてあるということなのか。