読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

精神の生活 上

アリストテレス形而上学』冒頭の有名な文章、「すべての人はうまれつき知ること
を欲する」は言葉どおり訳せばこう読める、すなわち、「すべての人は見てしかも
見てしまう[すなわち、知る]ことを欲する」と。」


「ところが、思考によって提起される問題というのは、理性の本性そのものから
生まれてこざるをえない意味への問いなのだが、これはすべて常識や科学の
精密化によっては答えることのできないものなのである。

意味への問いは常識と常識の推論にとっては「意味のないもの」である。
なぜなら、現象世界に我々を適応させ、五官によって与えられる世界を
自分の地と感じさせるのが、第六官の機能だからである。」

「真理にはライプニッツ以来知られているように、 二種類あって、理性の真理と
事実の真理がある。」

「理性の真理は「必然的で、反対が不可能なものだ」が、「事実の真理は偶然的
であって、反対が可能である。」

「理性的ないし数学的真理の場合には、同様な知的能力を持った人なら誰にも
自明なものとしてすべての人にそれ自身が現れるというだけのことである。」


「理性の真理と区別された意味での事実の真理に対する本当の反対は誤謬や錯覚ではなくて、意図的な嘘なのである。」

「数学的真理はあらゆる思想の模範であるべきだというこの確信は、おそらく、
ピタゴラスに遡るほど古いものであろう。どっちにせよ、それはプラトンが数学の
訓練を受けていない人物には哲学を拒否したということで分かる。」