読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

精神の生活 下

「ちょうど「最初、世界のすべてはアメリカであった」と述べたロックの証言のように、アメリカ合衆国の誕生を古来の伝説が真理であることの歴史的事例として使いたい気持ちにもなろう。」


「この時まさに、当初[政治的共同]活動を目的としていた人々が革命をめざす人々へと変わっていき、彼らが、ウェルギリウスの偉大な一節「時代の偉大な秩序は創立の時の姿のように(再び)生まれる」というのを「新しい秩序」へと変えていったのである。この言葉はいまでもドル紙幣に載っている。」


「これら創設の伝説は彼らに始まりの問題_始まりという本性からしてがそれ自身完全に任意であるという要素をもつがゆえの問題_をいかに解決するかを語ってくれるかもしれないのである。

ようやく今や彼らは自由の深淵に直面したのであり、今なされるすべてのことはまったく同様になされないまま置くこともありうるということを知るのであり、それでいてまたかつてなされたことをしなかったことにはできないし、この、物語を語る人間の記憶が破壊と同様に後悔をも残すことになるだろうと、はっきり鮮明に思う。」



「このことは、[政治的]活動の領域、「人間存在という、一者の中の多数者」にたいしてのみあてはまる。
つまり、「我々」が歴史的時間を通過しての旅をしていくのにふさわしい共同体にたいしてのみあてはまる。」


「絶対的な始まりについて考える_”無からの創造”_のは絶対的な終わりのことを考えるのとおとらず、時間というものの連鎖を廃止するのであり、まあ「思考不可能なことを思考する」ことだといってもよいのである。」