読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

精神の生活 下 (付録 判断)

〇 付録の「判断」もなかなか興味深いです。カントの思想をもとに書かれているので、やっぱりかなり難しいのですが、フランス革命の成り行きを[希望につつまれ]、
[情熱的に]見ていたカントの立場を、「単なる観客[観察者]の態度」としています。


「この事件の本質は、そのためにこれまで人々の間で偉大であったことが些末なこととなり、あるいは些末であったことが偉大なこととなるような、人々のなす重大な偉業や悪行のうちに存ずるのではない。またそれは、古代の壮麗な政治的建造物がまるで魔法にかかったかのように消滅する一方で、ほかの建造物があたかも地の底から這いだすようにそこに現れ出ることの内に存するのでもない。否、断じてそういう種類のものではない。

この偉大な変革の営みにおいて公的に現れてくるのは、たんに観察者たちの思考様式なのである…。」


〇ここが胸に響きました。
革命とはまるで違うけれど、あの「原発事故」の時、私もこれと同じことを感じました。「公的に現れてくるのは、たんに観察者たちの思考様式なのである…。」

だから「判断」なのだ…と思いました。

生きていて、ちゃんと書いたものを読んでみたかったと思います。