読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

「空気」の研究  「水=通常性」の研究

「われわれの社会にはこの「水」の連続らしきもの、すなわち何か強力な消化酵素のようなものがあり、それに会うと、すべての対象はまず何となく輪郭がぼやけ、ついで形がくずれ、やがて溶解されて影も形もなくなり、どこかに吸収され、名のみ残って実体は消えてしまうという、実に奇妙な経過をたどるからである。(略)


いわば消化酵素とその作用の分析となると、残念ながら、私は、現在に至るまで、納得できる「分析表」さえ見せてもらった景観がない。」


「だが、これは何も西欧文明乃至はキリスト教の場合だけでなく、外来のあらゆる分見えについて言えることである。たとえば日本は仏教国だといわれる。(略)

だがしかし、専門学者は浄土宗は仏教ではなく、浄土宗のような思想は仏教にはないという。」



「前述の仏教学者たちは、日本の仏教を研究するにあたって、大変に重要な点を見落としていた。天皇家仏教徒なりや否や、という問題である。」


「簡単にいえば、明治四年まで宮中の黒戸の間に仏壇があり、歴代天皇の位牌があった。法事はもちろん仏式であったが、維新という”革命”の波は天皇家にも遠慮なく押し寄せ、一千年つづいた仏式の行事はすべて停止されることになった。」

〇そうだったのかぁ~と思いました。天皇は明治四年までは、仏教徒だったんですね。