ユヴァル・ノア・ハラリ著 「サピエンス全史 下」を読んでいます。
副題が「文明の構造と人類の幸福」。
上・下巻、同時に予約したのですが、予約者がメチャメチャ多くて、忘れたころに
借りられることになり、しかも下巻が先になってしまいました。
でも、先ずは読んでみます。
「今日、宗教は差別や意見の相違、不統一の根源と見なされることが多い。だが実は、貨幣や帝国と並んで、宗教もこれまでずっと、人類を統一する三つの要素の一つだったのだ。」
〇 上巻から読んでいないので、「人類を統一する三つの要素」についての説明は、すでに以前になされていたのかもしれません。
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※「人類を統一する三つの要素」については上巻にありました。(213p)
(2018.5.14 記入)
「紀元前1000年紀に普遍的な秩序となる可能性を持ったものが三つ登場し、その信奉者たちは初めて、一組の法則に支配された単一の集団として全世界と全人類を想像することが出来た。
誰もが「私たち」になった。いや、少なくともそうなる可能性があった。「彼ら」はもはや存在しなかった。真っ先に登場した普遍的秩序は経済的なもので、貨幣という秩序だった。
この著者はとても若く、1976年生まれで、ほとんど息子と同じくらいの歳です。
でも、このハラリ氏の発想は、ちょっと脳がひっ掻きまわされるような、「経験したことがないようなものの見方」で、新鮮な驚きがあります。
「したがって宗教は、超人間的な秩序の信奉に基づく、人間の規範と価値観の制度と定義できる。これには、二つの異なる基準がある。
1 宗教は、超人間的な秩序の存在を主張する。その秩序は人間の気まぐれや合意の
産物ではない。プロ・サッカーは宗教ではない。なぜなら、このスポーツには多
くの決まり事や習慣、奇妙な儀式の数々があるものの、サッカー自体は人間自身
が発明したものであることは誰もが承知しており、国際サッカー連盟はいつでも
ゴールを大きくしたり、オフサイドのルールをなくしたりできるからだ。
2 宗教は、超人間的秩序に基づいて規範や価値観を確立し、それには拘束力がある
と見なす。今日、西洋人の多くが死者の霊や妖精の存在、生まれ変わりを信じて
いるが、これらの信念は道徳や行動の基準の源ではない。
したがって、これらは宗教ではない。」
「本質的に異なる人間集団が暮らす広大な領域を傘下に統一するためには、宗教はさらに二つの特性を備えていなくてはならない。
第一に、いつもでどこでも正しい普遍的な超人間的秩序を信奉している必要がある。
第二に、この信念をすべての人に広めることをあくまで求めなければならない。
言いかえれば、宗教は普遍的であると同時に、宣教を行うことも求められるのだ。」
「ところが、古代の宗教の大半は、局地的で排他的だった。(略)
普遍的で、宣教を行う宗教が現れ始めたのは、紀元前1000年紀だ。」
「狩猟採集民は野生の植物を摘んだが、それらの動植物はホモ・サピエンスと対等の地位にあると見なすことが出来た。人間は、ヒツジを狩るからといって、ヒツジが人間に劣ることにはならなかった。トラが人間を狩るからといって、人間がトラに劣ることにならないのと、まったく同じだ。」
「アニミズムの信奉者たちは、人間は世界に暮らしている多くの生き物の一つにすぎないと考えていた。」