読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

サピエンス全史 下

〇 読み物としても、とても面白いです。
引き込まれて、今日は第十八章 213Pまで読んでしまいました。

大雑把な感想としては、「☆資源が枯渇する、という不安をあおる人がいるけれど、エネルギー資源は枯渇しない。 ☆国民・消費者 というのは想像上のもの。 ☆グローバル経済や政治のおかげで、今や世界は一つの社会になった。小さな紛争は今後も起こるかもしれないが、戦争はもうないだろう。」という文章に、

「え~ 本当かなぁ?」と思いながらも、少し気持ちが明るくなりました。

一方、どれほど多くの動物たちの苦しみの上に私たちホモサピエンスの「快適な暮らし」が打ち立てられているかも知らされ、暗澹たる気持ちにもなりました。


この本、とてもいい本だと思います。
ちょっと高いけど、買って、子どもたちに薦めてみようかなって思うような本です。


…ということで、抜き書きをしたいと思います。


「<宇宙からの侵略> アステカ族やインカ族は、周りの世界にもう少し興味を示していたら、そして、自分たちの周りの国々にスペイン人が何をしたかを知っていたら、スペイン人が征服しようとする際にもっと激しく、もっとうまく抵抗ででていたかもしれない。」


「先住民のほとんどはすぐに亡くなった。過酷な労働条件、または征服者の船でアメリカへ運ばれた病原菌が原因だった。」


「大虐殺はまさにアステカ帝国の玄関先で起こったのだが、コルテスがこの帝国の東海岸に上陸した時、アステカ族はそれについて何も知らなかった。 スペイン人の到来は、宇宙からのエイリアンの侵略に等しかった。アステカ族は自分たちが全世界を知っていて、そのほとんどを支配していると確信していた。」


「アステカ族は持てる力を結集してスペイン人を一掃しようとせずに、協議し、ぐずぐずと長い時間をかけて交渉した。急ぐ理由は思いつかなかった。

何といっても、コルテスが率いていたスペイン人は高々550人だ。何百万もの民を擁する帝国に対して550人に何ができるというのか?」


「やがてアステカのエリート層はとうとうコルテスとモンテスマに背き、新しい皇帝を選ぶとテノチティトランからスペイン人を追い出した。だがこのときすでに、帝国の体制は亀裂だらけになっていた。

コルテスは手に入れておいた知識を利用して、亀裂をさらに拡げ、内側から帝国を引き裂いた。帝国に支配されている諸民族の多くを説得して味方につけ、アステカのエリート層と敵対させたのだ。」

〇「分割して統治」いつも使われる手です。
市民運動の「純粋派」と「実際的派」も内側から引き裂かれてしまうような印象があります。


「アステカに反旗を翻した諸民族は、何万もの地元の軍をコルテスに提供し、コルテスはその支援を受けてテノチティトランを包囲し、陥落させた。(略)

地元の諸民族が気が付いた時には手遅れだった。コルテスがベラクルスに上陸してから100年のうちに、アメリカ大陸の先住民の人口はおよそ一割にまで減少した。主に、侵入者がアメリカ大陸に持ち込んだ未知の病気のせいだった。

生き延びた人々は、いつの間にか、貪欲で人種差別的な体制の支配下に置かれていた。それはアステカ帝国のものよりも格段に過酷な支配体制だった。」


「視野が狭かったために高い代償を払う羽目になったのは、アメリカ大陸の先住民だけではない。オスマン帝国やサファヴィー帝国、ムガル帝国、中国など、アジアの数々の大帝国の人々は、ヨーロッパ人たちが何か大きなものを発見したという話が早々に伝わってきたにも係わらず、そうした発見にあまり関心を払わなかった。(略)

アメリカに軍事目的で遠征隊を送ろうとした初めての非ヨーロッパ勢力は日本だ。
1942年6月のことだった。」


「20世紀になって「ようやく、非ヨーロッパ文化にも真にグローバルな視点が取り入れられた。これがヨーロッパ諸国の派遣を崩壊させる決定的な要因の一つとなった。(略)

こうしたゲリラ兵力は、限られた地域での戦いが世界的大儀になれば、超大国でさえ負けうることを立証した。」