読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

サピエンス全史 下

「<資本の名の下に>  投資家の利益のためにおこなわれた戦争は、決してこれだけにとどまらない。それどころか、戦争自体がアヘンのように商品になりえた。(略)

だがロンドンの投資家たちは、この戦いは商機になると読んでいた。彼らは、ギリシアの反乱軍の指導者たちに、ギリシア独立債をロンドン証券取引所で発行してはどうかと持ち掛けた。」


ギリシア独立債の価値は、ギリシアの戦況に応じて上下した。(略)彼らの利益は国家の利益でもあるため、イギリスは多国籍艦隊を組織し、1827年にナヴァリノの海戦でオスマン帝国の主力の小艦隊を撃滅した。数世紀にわたる支配から、ギリシアはついに自由になった。(略)

ナヴァリノの海戦後、イギリスの資本家はリスクの高い海外の取引に以前よりも進んで投資した。もし海外の債務者が借金の返済を拒んだら、女王陛下の軍隊が、彼らの資金を取り戻してくれることが分かったからだ。


だからこそ、今日の国家の信用格付けは、その国が所有する天然資源よりも、その国の財政の健全性にとってはるかに重要なのだ。」