読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

東洋的な見方

「<自由・空・只今  1962年>  自由の本質とは何か。これをきわめて卑近な例でいえば、松は竹にならず、竹は松にならずに、各自にその位に住すること、これを松や竹の自由というのである。」


「これを天上天下唯我独尊ともいうが、松は松として、竹は竹として、山は山として、河は河として、その拘束のなきところを、自分が主人となって、働くのであるから、これが自由である。」


「生きながら死人となりてなりはてて思うがままにするわざぞよき(少しちがったかもしれぬが)、こんな具合にある。人間はどうしても一遍死んで来ぬといけない。他の一切の存在には、嘘がない。それで死ぬ必要はないが、人間には虚偽がある。(略)

しかしこのうそのできるのが、人間の人間たるところで、うそのいえぬ天人や木石や犬猫では、人間としての価値はない。」

「「空」がわかるというのは、このただいまが分かるという意味である。ただいまを手に入れなくてはならぬ。このただいまを無限そのものだと悟るとき、零すなわち無限の式が成立する。」