読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

東洋的な見方  あと少しだけ

〇 以前も書きましたが、戦争に関連して、日本の文化を世界に広めるという
動機があったことを 鈴木氏も言っているので、その部分を抜き書きしておきます。


「<明治の精神と自由>  明治三十年頃から十有余年間を、海外_主として米国_で放浪生活をしたことも、もとを正せば、何か西洋文化に親しく接してみたいという心持が動いていたものであろう。

今日のところでは、自分は世界人としての日本人のつもりでいる、そうして日本に_東洋に_、世界の精神的文化に貢献すべきものの十分に在ることを信じている。(略)


西洋文化の精神を体得することは中々容易なことでない。日本文化のみが保存に価するものだと考えたり、西洋文化は、物質的だ、経済的だ、政治的だとのみ考えたりして、今度の戦争を起こしたような人たちには、到底わかるものでない。

そのような狭き考えで、これからの日本を背負って生きるなどと信ずるものがあったら、大変だ。それからまた、日本は敗けた、アメリはえらい国だ、何でも彼方の真似さえして跳ったりはねたりして行けば、若いものの能事畢れりとすまして行くものが多くなったら、これまた大変だ。(略)

「自由」とは、自らに在り、自らに由り、自らで考え、自らで行為し、自らで作ることである。そうしてこの「自」は自他などという対象的なものでなく、絶対独立の「自」_「天上天下唯我独尊」の我であり、独であり、尊である_であることを忘れてはならぬ。

これが自分の今まで歩んで来て、最後に到達した地点である。」