読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

日本はなぜ敗れるのか _敗因21か条

「ルソンの日本軍は殆ど餓死であり、しかも米軍は六月二十八日に、比島戦の打ち切りを宣言している。あとはなずずべもない日本軍の残存部隊は、ただ、現地住民を苦しめつつ自らも餓死していくわけである。


一体全体、なぜそれを放置しておきながら、一方において、全く効果のない出撃すなわち斬り込みだけを反復していたのか_この表現を借りれば「嗚呼、山下の心頭は実に乱れたり」というところであろう。しかし、おそらく両者とも、いわゆる”神風”すなわちどこかで「僥倖を万一に期望し」て「その挙動の拙劣?怯」なる結果になったのだと思う。」



「一言でいえば西郷のような、世の中のことが良くわかっているはずの偉大な人物が、しかも維新を自らなしとげたはずの人物が、一体全体、なぜこのような奇妙なことをし、しかも、最後に至るまであのようにわけのわからない行動をしたのか、だれにも理解できないと言う事なのである。」


「そして、西南戦争というものへの徹底的な解明を基にした、自己の民族性についての、きびしい反省があったなら、おそらく、太平洋戦争の愚は避け得たであろう_「それでは、西南戦争の西郷と同じことになってしまう」という言葉で。」



では一体「反省」とは何なのか。反省しておりますとは、何やら儀式をすることではあるまい。それは、過去の事実をそのままに現在の人間に見せることであり、それで十分のはずである。


〇「飢えの中で友軍の肉を食った」ということさえ、特別恥ずかしいことではないと思います。人間はもともとそのような「動物」なんだと思います。
なんでもあり、の動物が人間なんでしょう。
ただ、文化の力で、そうならないシステムを作り上げているのが、人間で、その文化の程度が「まだまだ」だったのだと思います。

恥ずかしいのは、そんなことがなかったかのようにふるまい、事実をねじまげ、嘘で固めてしまうことだと思います。

その事実をなかった事にするということは、何も考えず、また同じことを繰り返す、ということです。

反省力がない、ということは恥ずかしいことだと思います。