読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

好き好き大好き超愛してる。

「あんたのこれまでの六人があんたとうまくいかなかったの、あんたが六人も七人もイヴ作るような人間だったからじゃないの?(略)」

俺は結構傷つく。それはニオモが俺を傷つけようとして言った台詞だ。でも俺の記憶のイヴたちが俺を責める。」


「俺たちには神と戦うことについての強い使命感が植え付けられているし、それでなくても、人は基本的に、生きる。生き続ける。生き続けようとすることが生命の本質なのだ。そして生きるものは時間の中にいる。ならば時間とうまく折り合っていかなくてはならない。」


「それから次のイヴが決まる。名前は河野ミ気。十六歳。今度はうまく気持ちが通じ合うといい。いや、通じ合わせるためにもっともっと努力しよう。素質だけではやはり駄目なのだ。」


「柿緒に対する僕の愛情を、誰にも疑わせたくない!」


「それから僕は賞太に言われたことについて考えてみた。(略)

でも僕はそんなふうに苦しむ柿緒を小説のネタとして見てたんだろうか?
柿緒の病室にいる僕に、この経験は結構いい小説の題材になるなあという気持ちがなかっただろうか?」


「僕はその事実を曖昧に受け取りながら、思う。ここで見た<死>の在り方について確かな感触は小説に書き写しておきたい。ああいうふうに一旦は自分を覆い尽そうとした死を斥ける力強い瞬間。言葉だけと知りながらも百年後も自分達が一緒の姿を思い浮かべてみたこと。そういうことは書き残しておくべきだと思ったのだ。」


「つまり美というものは倫理とは別のところにあるということ、ただし批評は倫理とともにあることを僕は読む人に分かってほしかったのだ。」


「「好きだ」あるいは「好きなのかも」と思ったり言ったりすることでなんとなく相手を好きになることはあっても、誰かのことを好きな人が相手のことを好きだと思うとき、そう思うとき、それは全くの本心で、どんな演出もない。」



「そしてそうしたくないというだけで、僕は小説よりも柿緒の方がずっと好きで大切で大事だという根拠に充分だったのだ。」