読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

中空構造日本の深層

河合隼雄著 「中空構造日本の深層」を読んでいます。

この本も、NHK「100分 de 名著」で、知りました。
日本という国は、一旦方向が定まると、恐ろしいほど一気に誰にも止められない勢いで、そっちに突っ走ってしまう、と言われているのを聞いたことがあります。

それでいながら、あの山本七平氏の本によると、一般庶民の本音とはまるで違う論理で、社会が動く。

何故なのか、ずっと気になっています。

抜き書きは「」で、自分の感想は、〇で書きます。

「振り返ってみると、人間に内在する不安が神経症の原因であることを究明しようとした深層心理学も、最初は、それを科学の知として存在意義を主張しようとしたのである。われわれはここでしばらく、そのような過去の歴史をたどってみることにしよう。」



「科学を中心に据えて現代の文明はますます発展するかと思われたが、ごく最近になって、われわれはそれに対する疑問を感じ始めたのである。科学の知の肥大化によってもたらされた自然破壊の恐ろしさに気づき、人々は科学を中心におくことの非を悟りつつある。(略)

自然科学という中心を失ったのみではなく、その他のものを中心と考えていた人も、最近、強い中心喪失感を味わっているのではないだろうか。


このような感じは、あらゆるイデオロギーや思想に対しても拡大され、思想というものに対する冷笑的虚無主義が、現在では強くなっていると感じられる。」



「無意識の創造性を受け入れるとき、ユングがヨーロッパ人の無意識界に見出したものは、一言にしていうなれば、父なる神を天に頂く彼らの意識を補償しようとする、母なるものの働きであった。」


「つまり、われわれも心理療法を行っていると割に経験することがあるが、因果的連関としては説明不明な「意味のある偶然の一致」の現象に、あまりにも多く遭遇するのである。夢と現実が一致したり、偶然の事故が患者の治癒に大きく役立ったりする。」


「先に述べた神話の知における女性原理などは、西洋よりも東洋において発展してきたものである。ユングはこのような点について、東洋の知によって教えられるところが多くあったことを認めているし、東洋に対する尊敬の念を、ほとんどのヨーロッパ人が自分たちの文化を中心的なものと確信していた時代において、既に持っていたのである。」


「ただ、ユングの特徴は現在の一部の人たちのように、西洋の代わりに東洋を、科学の知の代わりに神話の知を中心に据えようとしたりはしないことである。」