読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

中空構造日本の深層(※日本人の心の在り方)

「蛇婿という男が女の世界へ入ろうとする、女を取ろうとするのだけれども、結局殺されてしまう、追い出されてしまう。こういう点に注目しますと、天照という女性が君臨している高天原へスサノヲという男性が侵入し、つかまえられて放逐されるパターンと同じだと思います。

ところが、面白いのは、はっきりは書いてありませんが、天照とスサノヲの間に出来た子どもと考えられるもの、これは二人が結婚してできたとは書いてありませんが、


二人が誓約というのを取り交わしたときに出てきた子どもが、結局は日本の天皇家の先祖になるのですから、先ほどのパターンで言うと、女性のところへ男性が入ってきて、男性は追い出されるのだけれども、そこに出来た子供は非常に大事であるというパターンだと考えられます。」


「だから日本で非常に特徴的なのは、一度外へ追いやって、その追いやられたものがまた入り込んで返って来る。そして全体を活性化して、揺り動かして新しくする。こういうパターンがよく繰り返されております。」


「そうではなくて、人間が異類と結婚するということは、男と女はちがうんだ、ものすごくちがうんだという認識がまず先行して、にもかかわらず、することになる。


動物が自然にやっている結婚ではなくて、われわれが本当に結婚しようと思うと、まず蛇であるということを認識して、つまり異類であることを認識したのちに結婚しようという場合は、象徴性が非常に高いのではないかと思うのです。」