読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

サピエンス全史  上 <聖なる介入>

「以上の筋書きは、農業革命を計算違いとして説明するものだった。じつに説得力がある。(略)だが、生産違い以外の可能性もある。農耕への移行をもたらしたのは、楽な生活の探求ではなかったかもしれない。

サピエンスは他にも強い願望を抱いており、それらを達成するためには、生活が厳しくなるのも厭わなかったかもしれないのだ。」



「1995年、考古学者たちはトルコ南東部のギョベクリ・テペと呼ばれる場所で遺跡の発掘を始めた。(略)


一つひとつの石柱は、最大で七トンあり、高さは五メートルに達した。近くの採石場では、削り出しかけの石柱が一つ発見された。重さは50トンもあった。全部で10を超える記念碑的構造物が発掘され、最大のものは差し渡しが30メートル近くあった。」


「ところがギョベクリ・テペの構造物は、紀元前9500年ごろまでさかのぼり、得られる証拠はみな、狩猟採集民が建設したことを示している。(略)


古代の狩猟採集民の能力と、彼らの文化の複雑さは、従来考えられていたよりもはるかに目覚ましかったようだ。(略)


そのような事業を維持できるのは、複雑な宗教的あるいはイデオロギー的体制しかない。」



「最近の発見からは、栽培化された小麦の少なくとも一種、ヒトツブコムギがカラカダ丘陵に由来することが窺える。この丘陵は、ギョベクリ・テペから約30キロメートルのところにある。


これはただの偶然のはずがない。(略)
だが、ギョベクリ・テペの遺跡は、まず神殿が建設され、その後、村落がその周りに形成されたことを示唆している。」