「H じゃあ、次のポイントは、王が登場すること。(略)
日本でも、特権を保証する時には、権威が必要だったと説明されています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・自由往来の特権を保証していたのは西国では天皇
天皇が政治的実力をなくし特権を保証する力を失っても
伝説として江戸時代まで残った
・西国では天皇が権威
・東国では源頼朝が権威
・東国と西国は異なる民族ともいえる
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「H これが、ユダヤ教の歴史の、二番目の転換点です。
Godが王を任命するのだとすると、王を相対化できる。王がなにか間違いをしたら、預言者がGodの声を聴いて、王を批判しに乗り込んでくる。「王は間違っている、なぜなら、神との契約に反して……」みたいなことを、演説して歩くこともできる。(略)
こういう予言がつみ重なって、ヤハウェ信仰は、さらに次の段階に進みます。(略)
いったいなぜ、こんな苦しみにあうのだろう。ヤハウェはなぜ救ってくれないのか。人々は悩みに悩んで、こんな風に考えるようになった。
我々がヤハウェに背き、罪を犯したから、懲らしめのためである。つまり、われわれに原因がある。(略)
ここでヤハウェは、イスラエルの民の神から、世界を支配する唯一の神に格上げされているんです。ヤハウェが自分たちだけの神なら、他の民族が彼らの神を拝むのは仕方がない。でも、それはもう認めない。ヤハウェは唯一の神で、世界を支配している。ヤハウェ以外の神は、神でなく、偶像にすぎない。こういう信念に成長した。(略)
さて、ヤハウェにどうやって仕えるか。それには、三通りのやり方があった。
第一は、儀式を行う。(略)
第二は、預言者に従う。(略)
第三は、モーセの律法(聖書にまとめられている)を守って暮らす。(略)
ところが、この三つのやり方の中心となる人々(祭司、預言者、律法学者)が、お互いに仲が悪いのです。(略)
律法学者をラビと呼びます。彼らは、ユダヤ社会に欠かせない存在です。そうやって律法を守り、二千年の歴史を歩んできた。」