「O 高校で世界史を勉強していれば、ローマのコンスタンティヌス帝が313年にキリスト教を公認し(ミラノ勅令)、392年にテオドシウス帝が国教化したことは知っているわけですけど、それはどういう経緯だったんですか?
キリスト教徒は、絶対にそれらの「偶像」を礼拝せず、異教と関係を持たないという点が際立っていた。ユダヤ教もその点は一緒だけれど、ユダヤ人コミュニティに閉じていたので、見えにくかった。キリスト教は、初めて公然と現れた一神教として、人々に深い印象を残した。キリスト教は無神論だから、神を拝まないのだろうと言われていたほどです。(略)
そのうち、ローマ帝国の弾圧の標的になります。皇帝崇拝を拒んだなどの理由で、捕まって、ライオンに食べさせられたり、目の敵にされた。しかしそのうち、ローマの有力者がキリスト教に改宗したりするなどして、弾圧するよりも、ローマ側から見て利用できるものになったんですね。(略)」