「O キリスト教は成立後、いろんな形で社会に浸透し、人々に影響を与えながら、言ってみれば「西洋」を作って行きました。しばしばいわれる「グローバリゼーション」も含めて、近代化というのは、見方によっては地球的・人類的な規模の西洋化みたいなところがあります。(略)
H わかりました。ただ、問題が大きいので、いくつかに砕いた方がいいと思う。(略)
ただ、福音(イエス・キリストの言葉)だけが書物のかたちで残った。人々は終末の日まで、これで我慢するしかない。
そうして取り残された人々と神との、唯一の連絡手段が、聖霊です。(略)
聖霊は、大澤さんの言うように、ネットワークや相互感応みたいな作用なのだけれど、日本人におなじみの、空気や以心伝心とは違う。どう違うか。聖霊は一つしかない。それは神からのものである。人と神とをつなぐのが聖霊で、人と人とは結果的につながれるにすぎないんですね。
ここが大事で、聖霊の働きは垂直方向なんです。
ふつうに考えれば、これが神の言葉か、ただのパルロの手紙じゃないか、という問題が起こる。(略)
そこで、パウロの手紙は、実はパウロの考えではなくて、パウロをそう考えさせた別のものの言葉でなければならない。パウロをそう考えさせたのは、聖霊なんです。聖霊が働いてパウロを考えさせ、パウロの手を動かし、字を書かせた。(略)