読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

私は女性にしか期待しない

「子どもをとられる
学校から帰った子供が、宿題をやっていたり、童話や探検の本を読んだりしていると、親は安心します。
けれども、5時から7時まで、テレビにかじりついていると不安になります。
「テレビはいいかげんにやめなさい、ごはんですよ
といっても、動きません。ロボットと怪獣の戦争で、やたらに殺人光線が発射され、爆発の音がやかましくて、親の声も聞こえないようです。(略)



子供をテレビにとられてしまったのです。
熟に行かせるのも、その対策の一つでしょうが、塾は毎日ではありません。
私の子供の頃の5時から6時というと、道路の上で石けりをしたり、縄跳びをしたり、メンコをしたりして、一番おもしろい時刻でした。母親が食事だからと呼びに来るので、いやいや中断しました。



今の子供は、塾に行く子、ピアノの稽古に行く子、家庭教師がくる子など、それぞれに忙しくて、放課後に仲間を見つけられません。広場が亡くなり、道路は車が危なくて遊べないとなったら、楽しみはテレビだけです。(略)



かつて子供は自作自演で遊びました。いまテレビは、遊びのイミテーションを、おとなが子供に押し付けます。毎日見ていると、創意を忘れ、暴力と悪とに不感症になります。母親が叱っても、投書しても、どうにもなりません。



子供を取り返そうと思ったら、番組を変えさせるしかありません。文句はいっても、番組を買えない母親を、テレビ局は相手にしません。企業の力は絶大です。それに対抗できる圧力団体を母親が作るしかないでしょう。」


〇 この本が書かれた時代は、まだ「子供をとられた」という感覚があったのだと思いますが、私の子育ての時は、既に、私自身も夫もテレビに取り込まれて育っていますから、テレビのある生活が当然だと思って、暮らしていました。

そんな風に、問題は少しずつ時間をかけて進行し、大きくなってゆくのだろうなぁ、と思いました。