読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

私は女性にしか期待しない

「もう少しゆとりを
岩波新書の「男と女 変わる力学」(鹿島敬著 ’89年)は、たいへん役に立つ本です。「日本経済新聞」の婦人欄を18年も担当された著者でないと、集められないデータが、たくさんでているからです。



女を総合職にとる条件の会社の本音が、結婚してほしくないだったり、「結婚観の変遷」の調査で「一人立ちできれば、あえて結婚しなくてもよい」と考える女性が、この15年間で13.1%から24.3%にふえたとか、興味深く読みました。



けれども、一番強い印象を受けたのは、87年に「働く主婦の意識と行動調査」をしたとき、自由回答として寄せられた31歳の方の訴えでした。
「もう少し労働時間を短縮できないものだろうか。男性は全体的に働き過ぎ。そんなに一生懸命仕事をしなくたって、日本の経済は支えられるのに。男性がもう少しゆとりを持ち、夫婦が一緒に子育てに当たれるような世の中にならなくては」



本当にそう思います。
男の労働時間が長すぎます。「男女雇用機会均等法」ができて、男と同じに、転勤もかまわない、出産してもやめないと宣誓して総合職についた女の人は、これから労働時間はもっと長くなるでしょう。



ある調査では月に休日出勤が二日、残業が50時間というのはざらで、有給休暇も堂々ととれないとあります。これでは憲法のいう健康で文化的な生活はできません。
けれども、これを働き過ぎと言うべきでしょうか。自分の意志で働いているのなら、働き過ぎですが、企業の都合で労働時間が長くなったのは、働かせすぎです。(略)



企業の働かせすぎを、おとなしく我慢しているのは、労働組合がないのか、またはあっても労働組合としての機能を失っているかです。組合員の女に発言できないようにしているので、家庭がこわれるという女の声が表面に出て来ません。」



〇 以前海外ドキュメンタリーを見ていた時、海外の資本家は、労働者を分断することで、組合の組織率を低くすることに成功している、と言っていました。
私たちの国でも、パート、派遣、正社員と、立場がいろいろになってしまうと、なかなか一致団結して資本家と戦う、ということが出来なくなります。


以前読んだ、「下流志向_学ばない子どもたち 働かない若者」から引用します。

「こういうことはもっとはっきりアナウンスされるべきだと思うんです。弱者が弱者であるのは孤立しているからなんです。」

〇 そして、私は思うのですが、こういう場面で、「子供をとられる」にあった「自作自演で遊ぶことができる能力」が必要になるのではないか、と。
大人のいうことをきいて遊んだり、何かしたりするのではなく、自分たちの力で、仲間を集め、みんなで遊ぶ力というのは、メチャメチャ大事で、それが人間を育てるのではないかと思うのですが。