「改革は痛みをともなう
小林 地方をどうするかは大問題です。日本は二〇〇五年に、人口の自然減を初めて経験しましたが、人口が増え続けていた時代には「国土の均衡ある発展」が国是となっていた。どの県にも空港や高速道路があることが目指されていたわけです。
しかし、日本は既に人口減少社会になっていますし、今後、財政が破綻するようなことにでもなれば、道路などインフラを整備する余裕は全くなくなる。そうなったら、地方の住宅地は自然に還すか農地西、人が暮らす場は都市部に集約するようにする他ありません。そのようにして、国全体の政策を変えていく必要がある。
橋爪 その通りです。
小林 それによって地方交付税も減らせます。しかも、住宅地を農地に転換することで、農作物を安く作れるようになる。おそらくこの段階では円の価値が下落していて、海外から輸入した農作物の価格が上がっているので、消費者からも歓迎されるはずです。
橋爪 コメ以外の農作物が、価格競争力を持つわけですね。これなら、新規就農者が増えるかも知れません。
小林 そうですね。合わせて規制緩和も行って、株式会社でも農業が出来るようにし、大規模農業が発展できるようにするといい。(略)
食糧自給率も上がるはずです。
ところで公務員の数はどうなりますか。
橋爪 ばっさり半分、でしょうね。
小林 半分ですか。学校の先生はどうなりますか。
(略)
橋爪 その代わり、地価は安いやずですから、コストをかけずに家を建てられる。あとは自己責任で、なるべく病気にならないようにする。都市生活者のセカンドハウス需要も高まるはずです。
クライシス到来のポイント
1 ハイパーインフレに見舞われた場合、政策の優先順位としては第一に人命の尊重、第二に電気、水道、ガスといったライフライン、および食糧の確保である。その場合、IMF(国債通貨基金)管理下で新円を発行し、予算策定をせざるをえなくなる可能性がある。
2 政府の歳出(支出)を圧縮するため、医療保険においては富裕層の負担を増やすと同時に低所得者層への必要十分な手当てを確保し、年金においては富裕層の支給額をカットするなど、選択的な制度を導入しなければならない。年金制度は賦課方式から積み立て方式へと転換する必要がある。
3 ハイパーインフレで高齢者の資産が失われるので、五〇万人規模の自殺者がでるかもしれない。それでも消費税を一〇%のままにするか、それとも消費税を三五%まで引き上げて高齢者の貧困層を救済するか、という選択に迫られる。
4 ハイパーインフレになると賃金がドルベースで何分の一かになるので、日本の輸つ産業は中国や韓国に対抗できるようになる。高齢者介護用ロボットなどの新しいニーズをいち早く掘り起こして商品化できれば、日本企業は復活できる。」
〇「日本人の国民性を信用できない」、というのは悲しいことですが、私は本当に信用できない。
若い頃から、その感覚はありました。でも、3・11以降、本当に強く、そう感じるようになりました。
例えば、ここで、橋爪さんは、「人命が第一」と言っています。当然のことだと思います。でも、それをしないのが、日本の官僚です。
また、リバースモーゲージを取り入れ、不動産の供給が増え家賃が下がり、生活費が安くなり現役世代が恩恵を受ける、と言っていますが、そんな場合でも、企業にとってどんなメリットがあるか、を先に考えるのが日本の政治家です。
また、消費税を三五%にすることで、貧困層を救うと言っています。本当にそうなるなら、三五%でも良いとも思います。でも、そうしないのが、日本の為政者です。
全ては、「信用できない日本の政治家・官僚」そしてそれを擁護する「御用学者」「御用マスコミ」が問題のネックになっていると、思います。
そして今、日銀は、国債のみならず、株も買っているということです。
中央銀行が株を買って、株価を「調整」するって、もう狂っているとしか思えないのですが。