読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

日本中枢の崩壊

「第五章 民主党政権が躓いた場所

(略)

民主党脱官僚できない二つの理由

(略)
最大の問題は民主党が何をやりたいのか、それがはっきりと見えてこない点である。(略)
鳩山氏にしても仙谷氏にしても、いま一つ、何をやりたいのかが伝わってこなかった。菅総理は「平成の開国」「最小不幸社会」などを掲げていたが、マニフェストを見なおすことになったから、国民から見れば、そもそも民主党が何を目指すかは不明だった。(略)



菅総理の考える理想の社会が具体的にどのようなものなのか、私には見えなかった。「最小」「不幸」というネガティブな単語を二つ重ねた言葉からは、雰囲気的には、みんなで貧しくても肩を寄せ合って生きて行こうね、と言う感じかなと思ってしまった。」

〇 「最小不幸社会」と言う言葉がネガティブで良くない、と古賀氏は別の場所でも言っていました。
でも、私はこの言葉を聞いた時、やっと私たちの国にも一般庶民のことを考えてくれる総理大臣が現れた、と思いました。

あの山本七平氏が、戦前戦後と、この日本は「軍部」によって「一般人」が支配されていた、と言っていたのを読んで、私はとても納得しました。
だからこそ、米軍の支配をすんなりと受け入れたし、あの軍部よりは、米軍の方が、
よっぽどマシだと感じて、ある種のアメリカ崇拝的な気分にもなったのだと思いました。

そして、橋爪大三郎さんの「人間にとって法とは何か」の中では、中国の法は、
支配者である「官僚」が「人民」をコントロールするためのものである、と書かれていました。
多分、中国のやり方を真似て来た日本にも、間違いなくその考え方は入り込んでいる、と感じました。


「由らしむべし 知らしむべからず」と言葉にもあるように、民に具体的な説明など必要ない、嘘で誤魔化しても良い、ただ黙って従うように仕向ければよいのだ、という官僚のやり方ばかりを見せられてきたと感じています。

最小不幸社会」とは、「国益」を考え「国の発展」を考える政治をする時に、
その隙間からこぼれ落ちる人々にもしっかり目を向けて行きますよ、といっているのだと思いました。

「企業戦士」が経済大国を作りました。でも、その陰でどれだけ多くの妻や子が、夫や父親がいない時間を過ごしていたか。それが、その企業戦士自身や子どもの成長にどんな問題を生じたか。

あの、3.11の原発事故の時、平然と同胞を見棄てる政治を見ました。経済大国と言いながら、エコノミックアニマルと呼ばれてもしょうがないと思いました。


逆ではないのか、と思います。
一般人(子供・女・男)の暮らしが、元気に生き生きと暮らせるように舵取りをしてくれるリーダーがいたら(最小不幸の社会)なら、その中で、様々な人が、もっと元気にクリエイティブに生きるようになります。
子どもももっと生まれると思います。

そうすると、結果として、国も元気になって行くのではないかと思うのですが。

信じあうことや仲よくし合うことや助け合うことが何よりも大事な事だ、という精神の上に経済があるのだと思います。
経済さえ豊かになれば、自然と信じあい仲よくし合い助け合うようになる、と思っていたのかも知れませんが、日本は経済大国になっても、そうはなりませんでした。

逆ではないかと思います。