読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

2018-11-29から1日間の記事一覧

一下級将校の見た帝国陸軍(参謀のシナリオと演技の跡)

「だが、前述のように、この名ばかりの一個中隊は、各中隊がそれぞれ、動けない病人と、動かせないで捨てて行った砲とで臨時に編成したものであり、そのため内部はバラバラであった。 中隊長役のS大尉は、名ばかりの指揮班と段列(弾薬糧秣輸送・補給班)を…

一下級将校の見た帝国陸軍(参謀のシナリオと演技の跡)

「考えてみるとそれも六月だった。だが、正確な日付はおぼえていない。 徴兵検査が六月、予備士官学校のベッドでも思索が六月、輸送船が六月でマニラ上陸が六月十五日。また六月が来て、あのひからもう三年がすぎていた。 そして私は「天の岩戸」の底で、死…

一下級将校の見た帝国陸軍(「オンリ・ペッペル・ナット・マネー」)

「虚構の演技のお付き合いが私ですめばまだよい。それはこれから、何千人か否何万人かの現地人に奴隷の役を演じさせようとしている。人海作戦、この恐怖の言葉_わずか十数ドラムのガソリンの代わりに、何千か何万かの人が駄獣の役を勤めようとしている。(…