読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

天皇の戦争責任(第三部  敗戦の思想)

「民主主義と象徴天皇 (つづき) 橋爪 それについては最近、毎日新聞にもちょっと書いたんですが、そこで書かなかったことを少し言って見ます。 笑い話のような話なんですが、日本は日の丸を国旗とした方がいいかどうか。 「日の丸は、侵略戦争のときに日本…

天皇の戦争責任(第三部  敗戦の思想)

〇 一か月ほど前から、長く座っていると腰に痛みが出るという状態が続いていました。ネットで色々調べ、素人診断をしたのですが、多分股関節の「老化」ではないかと思います。 短時間ずつまたやっていきたいと思います。 「民主主義と象徴天皇 (つづき) 竹…

天皇の戦争責任(第三部  敗戦の思想)

「民主主義と象徴天皇 竹田 「断固正しい」とか「責任がない」とかいう言葉のうえでの違いはあるとして、お二人の考えの内実はかなりはっきりしてきたように思います。ひとつ言うと、「天皇の戦争責任」と「戦争の死者の考え方」ではっきり対立があるが、そ…

天皇の戦争責任(第三部  敗戦の思想)

〇 この「天皇の戦争責任」は、第一部 戦争責任、 第二部 昭和天皇の実像、 第三部 敗戦の思想と三部からなっていて、やっとここまで来ました。 最初は多分、最後までは読めないだろう、と思っていました。とても厚い本だし、 内容が私には難し過ぎる。 特に…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「人間天皇 加藤 なぜ僕が昭和天皇の評価を過不足なく行なうことが大事だと考えるか、その理由は次のようなものです。 僕は、天皇のことを考えるには、やはり現憲法の規定が媒介になる、そのことを考えた方がいい、というように思っています。(略) これが…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「退位 竹田 終戦後、天皇が退位せずにとどまったことについて、橋爪さんはどう考えますか? 橋爪 退位すべきだったという議論がいろいろあります。しかし私の考えでは、退位しないのは正しかった。天皇がそれを選択しなかった理由、退位を考えなかった理由…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「終戦 橋爪 じゃあ、終戦の問題にうつりましょう。 終戦の際、天皇が混乱した政府や軍の首脳たちに対して適切なリーダーシップを発揮し、日本を無条件降伏に導いたこと、そして本土決戦→一億玉砕という最悪のシナリオを回避し、日本軍の武装解除を成功させ…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「開戦 竹田 では、次の「太平洋戦争開戦時の天皇の行動」について、まず橋爪さんから話してください。 橋爪 開戦に至る経緯は、たいへん複雑なのですけれども、まず言えることは、誰かの一貫した方針や考え方によって準備されたものと言うよりも、その場そ…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「日華事変・ノモンハン事件 (略) 加藤 (略) まず、推移を簡単に述べておきます。きっかけは一九三七年七月七日の盧溝橋事件です。この夜、北京の郊外盧溝橋のほとりで夜間演習をしていた支那駐屯軍の一中隊長が、不意に中国軍の方向から飛んでくる十数…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「二・二六事件 橋爪 次に、二・二六事件です。これは数ある事件のなかで最大のもので、ほとんど成功寸前のところまでいったクーデター事件です。(略) いわゆる天皇の直接親政をめざす、皇道的な観念を持つ軍人が増えてきたのも、こういう変化と軌を一にす…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「満州事変 加藤 少し抗弁をすると、僕には天皇にまつわる組織、法制がやはり恣意的というか、近代的なものと非近代的なもののアマルガム(amalgam 合金)になっているという判断がある。それが、僕の天皇への行為への評価に影響していると思う。(略) 橋爪…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「張作霖爆殺事件 橋爪 それでは二番目の「張作霖爆殺事件の際の対応」に移りたいと思います。 張作霖事件は一九二八(昭和三)年六月四日に起こりました。(略) その結果、どうなったかと言うと、張作霖の軍閥は息子の張学良によって継承された。張学良は…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「私的領域 橋爪 それでは次に、先に述べた六つのポイントのうち、一番目の「家庭に関する行動」について、できるだけ簡単に説明してみます。(略) 「お局制」とはどういうものかというと、独身の女性が局というかたちで天皇の日常生活に奉仕し、ずっと宮中…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「背景 竹田 第一部では、いま戦争責任を論じることにどういう意味があるのか、これをどんなかたちで考えれば、いまの時代や状況にきちんとはまるかたちになるのか、ということを中心に話を進めてきました。ここからはできるだけ具体的に歴史的事実にふみこ…

天皇の戦争責任(第一部  戦争責任)

「神聖ニシテ侵スヘカラス 竹田 では、そういう構想を考えていく手掛かりとして、天皇をどうイメージするか、天皇に戦争責任があるか、という問題に戻ってみたいと思うのですが。 橋爪 そこに戻って言えば、私が天皇を評価する最大の理由は、いくつきあの局…

天皇の戦争責任(第一部  戦争責任)

「憲法第九条 ― 戦争放棄 加藤 憲法について議論が進んでいるので、このあたりでちょっと第九条の問題についても語っておきます。戦争放棄条項と天皇の関係は、憲法で言うと第九条と第一条の関係になります。昭和天皇が東京裁判で免責となり、現憲法に第一条…

天皇の戦争責任(第一部  戦争責任)

「正統性の根拠 加藤 僕の観点をはっきりさせるために、なぜ天皇について考えることが大事か、もう少し言ってみます。 僕は戦前の日本人は、自分が日本という国の中でどういう存在なのか、あるいは日本の国民とはどういう存在なのかということについての認識…

天皇の戦争責任(第一部  戦争責任)

「天皇言説の歪み 竹田 話を聞いていると、二人の考えがちょうど交差するところがみえてきた、という感じがします。橋爪さんの考え方はこうだと思う。戦争責任を問う場合、原則として当時の状況に立って考えるべきであり、いまの時点から結果論的に判定する…

天皇の戦争責任(第一部  戦争責任)

「戦争を裁くルール (略) 加藤 (略) 罪の概念についてはヤスパースが次のように分類しています。まず刑法的な罪というものがある。これは法を破った罪で、裁判所が裁く。次が政治的な罪で、これは政治的共同体のリーダーに課せられる。ただし、近代国家…

天皇の戦争責任(第一部  戦争責任)

「責任とは何か (略) 橋爪 まず、個々人がお互いに責任を追及し合うのはなぜかというと、行為に先立って「自分はこう行動すべきである。相手はこう行動すべきである」という予測があるからです。そして、それが裏切られたときに、現状を追認しないで、「あ…

天皇の戦争責任(第一部  戦争責任)

「なぜ天皇の戦争責任について考えるのか 竹田 まず、この対談の発端について、簡単に述べておこうと思います。事の起こりはロンドンです。僕は、一九九八年から九九年にかけてイギリスにいましたが、橋爪さんが仕事でオーストリアに行かれて、その途中ロン…

天皇の戦争責任 (まえがき―― 思想の敗北に抗する力)

「竹田青嗣 この対談は、加藤典洋と橋爪大三郎による、「天皇に戦争責任はあるのか」についての対決バトル討論である。わたしはこの対決討論の行司役を買ってでた。彼らの討論なら、これまで延々くりひろげられてきた「天皇」と「戦争責任」に関する議論とは…

天皇の戦争責任

加藤典洋 橋爪大三郎 竹田青嗣 著 「天皇の戦争責任」を読みました。 とても、厚い本です。内田樹氏の「街場の天皇論」を探している時に、たまたま見つけて、橋爪大三郎さんの本だったので、読んでみたいと思いました。 また、加藤典洋氏のお名前は、あの原…

少し観想

〇「日本的情況を見くびらない」ということ、ってどういうことなのかな、とずっと頭の片隅にあります。 そこで、少し思ったことを書いてみたいと思います。 私が以前、考えたことがある「日本的情況」は、「お見合い結婚」でした。 うちの親は「お見合い」で…

街場の天皇論 (「日本的情況を見くびらない」ということ ―― あとがきにかえて)

〇 最後に「あとがきにかえて」のメモをして「街場の天皇論」のメモを終わります。 「1969年、私が予備校生だった頃、東大全共闘が三島由紀夫を招いて討論を催したことがあった。(略) 三島由紀夫は「天皇」という一言があれば、自分は東大全共闘と共闘…

街場の天皇論(改憲草案の「新しさ」を読み解く ―― 国民国家解体のシナリオ )

「改憲が政治日程に上ってきている。2016年7月の参院選で自民党が大勝すれば、今秋以降には国内での合意形成をめざした議論が始まるだろう。自民党や改憲勢力がいったいこの改憲を通じて「何を」実現しようとしているのか、それをこの機会に確認してお…

街場の天皇論(改憲のハードルは天皇と米国だ)

「参院選挙で改憲勢力が3分の2の議席を獲得し、改憲の動きが出てきたタイミングで、天皇の「生前退位」の意向が示されました。時期的に見て、それなりの政治的配慮があったはずです。2016年8月8日に放映された「おことば」をよく読み返すと、さらに…

街場の天皇論 (「私が天皇主義者になったわけ」)

〇 ブログ「内田樹の研究室」以外のタイトルは、「あとがき」も含め12タイトルあるのですが、その中から、3タイトルだけ、メモしておこうと思います。 「Ⅰ死者を背負った共苦の「象徴」 私が天皇主義者になったわけ —— 2016年8月8日の「おことば」…

街場の天皇論

〇 目次の中で、ブログ「内田樹の研究室」にあるものについては、 タイトルだけを載せておきます。 Ⅰ 死者を背負った共苦の「象徴」 天皇の「おことば」について(ブログ「内田樹の研究室」2016年12月23日) 「民の原像」と「死者の国」(ブログ 2…

街場の天皇論

〇 山本七平著 「昭和天皇の研究」の最後の方に、美濃部博士の言葉が紹介されていました。 「……すべて国家には国民の国家的団結心を構成する中心(国民統合の象徴)がなければならず、しかして我が国においては、有史以来、常に万世一系の天皇が国民団結の中…