読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

昭和天皇の研究 その実像を探る

「五章「捕虜の長」としての天皇 = 敗戦、そのときの身の処し方と退位問題 天皇とマッカーサーの単独会見 天皇は、天皇家の神祇を実にまじめに実施されている。これは「大宝律令」以来、天皇は神祇官と太政官の長であるという伝統に基づくものだが、この場…

昭和天皇の研究 その実像を探る

「明治における「神代史」研究の状況 では「明治時代の合理的説明」ではどうであったか。白鳥博士はまず次のように記されている。 「明治の代になって、西洋の文物が輸入せられ、国家の文運は各方面において全く面目を一新するほどに発展を遂げたのであるが…

昭和天皇の研究 その実像を探る

「白鳥博士は「神代史」をどう解釈したか さてここで問題になるのはまず第一に、白鳥博士がどのような歴史観を持ち、日本の「神代史」をどう解釈されたかであり、第二は、それを何の妨害も掣肘もなく、裕仁親王すなわち後の昭和天皇に教えたか否か、という問…

昭和天皇の研究 その実像を探る

「四章 天皇の教師たち(Ⅱ) =歴史担当・白鳥博士の「神代史」観とその影響 天皇は、神話や皇国史観をどう考えられたか アメリカ人が「日本人は天皇をGodと信じ、このGodが戦争の開始を命じたから戦争をし、停止を命じたからやめた」と信ずるのは彼らの自由…

昭和天皇の研究 その実像を探る

「「道徳では負けないが、科学で劣っている」 ついで重剛は各条の解説に入る。(略) まず第一に、重剛は、「広ク会議ヲ興シ」の会議とは、町村会、群会、 県会、帝国議会などを指すのだとして、次のように述べていることである。 「第一条においては、門閥…

昭和天皇の研究 その実像を探る

「維新体験者の「御誓文」に込められた思いとは そして次に「五箇条の御誓文」にうつる。「趣旨」のその部分を次に引用しよう。 「わが国は鎌倉時代以後およそ七百年間、政権武家の手に在りしに、明治天皇に至りて再びこれを朝廷に収め、更に御一新の政を行…

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「「普通倫理」と「帝王倫理」 重剛は「帝王倫理」と「普通倫理」は分けがたい点があるとしているが、その教育方針は、大体「普通倫理から帝王倫理」という行き方で、はじめは、ほとんどこれを分けることをしていない。「知仁勇=知情意」などは、両者に共通…

昭和天皇の研究 その実像を探る

「三章 「三種の神器」の非神話化 =道徳を絶対視しつつ、科学を重んじる杉浦の教育方針 三種の神器は「知・情・意」の象徴 「倫理御進講草案」には、その冒頭に「趣旨」が記され、次の言葉で始まる。 「今回小官が東宮殿下に奉持して倫理を進講すべきの命を…

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「倫理の教師に、杉浦が指名された理由 (略) 実は前々から、この忘れられた「書生道楽」者に眼をつけていたらしい人がいた。それが浜尾新(一八四九~一九二五年)である。かれは東大総長を二度つとめ、文部大臣も経験した教育界の長老だが、重剛が大学南…

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「後の天皇が、独伊を信頼しなかったのはなぜか また英米についての関心は、様々な問題に関連して出てくる。(略) これと比べると、このような形で全然出てこないのが独伊である。これは、知らないから当然ということになるであろうが、重剛はこれらの国に…

昭和天皇の研究 その実像を探る

「杉浦重剛の青年時代と自己形成 ここでまず、資料の最もはっきりしている杉浦重剛(通称・じゅうごう 一八五五~一九二四年)について、少し記さねばならない。彼はすでに忘れられた人であり、また様々な資料で彼の名を知る人も、だいたい写真でその風貌に…

昭和天皇の研究 その実像を探る

「二章 天皇の教師たち(Ⅰ) =倫理担当に杉浦重剛を起用した時代の意図 天皇の自己規定を形成した教師たち 人間の性格、ものの見方や考え方、さらに嗜好などがどのようにして決まるかは、今でも完全に解明されているわけではあるまい。たとえば天皇の趣味以…

昭和天皇の研究 その実像を探る

「早くから「敗戦」を予感していた天皇 この詔書の主意は、すでに述べたように「五箇条の御誓文」への「誓ヲ新ニシテ」であろうが、これをマスコミなどが「天皇の人間宣言」と受け取った理由は、「天皇ヲ以テ現御神トシ」、それを基に「日本国民ヲ以テ他ノ民…

昭和天皇の研究 その実像を探る

「「人間宣言」における天皇の真の意図 宣長が天皇を神だと言っても、それは「一国一里一家」にもいる「ほどほどに神なる人」のさらに上にいる人と言った意味に過ぎない。だがこの「迦微」と「God」が混淆すると、天皇は神権的絶対君主になってしまい、天皇…

昭和天皇の研究 その実像を探る

「二・二六事件への対応と、天皇の反省 天皇は立憲君主として振る舞い、この点では実に自己規定が明確であったが、問題はむしろこの点にあったのではないか。天皇自身も戦後にそう感じたのではないか、と思われる節がないでもない。(略) だがそうでなく、…

昭和天皇の研究 その実像を探る

「終戦の「聖断」は、憲法を踏み間違えたものか すべてを拾い得たわけではないが、「憲法絶対」と言った発言は数が多い。それは天皇に、「自分は神権的独裁君主ではない、立憲君主である」という自己規定が明確にあったためと思われる。これは決して何かの弁…

昭和天皇の研究 その実像を探る

「一章 天皇の自己規定 ―― あくまでも憲法絶対の立憲君主 なぜ、天皇は開戦を阻止できなかったのか 戦後に天皇について書かれたものは実に多い。(略) そのすべてを調べることは不可能だが、私が調べた範囲内では、不思議なことに「天皇の自己規定」の研究…

昭和天皇の研究  その実像を探る

〇 何故私たち日本人は、こんな人々なのか… それがずっと 気になっています。昔は、教育が行き届いていなかったから、アホだったのだ…と思っていました。でも、今もなお、戦前と同じ過ちを繰り返している日本人を見て、もっと違う理由があるのでは…?と思う…

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「正義」を考えるされど私の可愛い檸檬どアホノミクスの断末魔ねじまき鳥クロニクルはてしない物語ふしぎなキリスト教アントニーとクレオパトラカズオ・イシグロサピエンス全史シーラという子ジャパン・クライシススピンク日記タイガーと呼ばれた子トリイ・…

武士道

「第十七章 武士道の将来 ヨーロッパの騎士道と日本の武士道との間におけるごとく適切なる歴史的比較をなしうるものは稀である。しかしてもし歴史が繰り返すものとすれば、後者の運命は必ずや前者の遭遇したるところを繰り返すであろう。(略) ヨーロッパの…

武士道 

「第十六章 武士道はなお生くるか 我が国において駸々として進みつつある西洋文明は、すでに古来の訓練のあらゆる痕跡を拭い去ったであろうか。 一国民の魂がかくのごとく早く死滅しうるものとせば、それは悲しむべきことである。外来の影響にかくもたやすく…

武士道

〇 途中になっていた新渡戸稲造著「武士道」のメモを続けます。 「第十五章 武士道の感化 武士道の徳は我が国民生活の一般的水準より遥かに高きものであるが、吾人はその山脈中さらに頭角を抜いて顕著なる数峯だけを考察したにすぎない。太陽の昇る時まず最…

ホモ・デウス(下)の感想

〇 後半、頑張ったのですが、時間が足りず、返却日が来てしまいました。続きは、また借りて…ということにしたいと思います。 でも、一応最後まで、読むことは読んだので、感想を書いておきたいと 思います。 第9章の後、第10章が「意識の大海」第11章が…

ホモ・デウス(下)(第9章 知能と意識の大いなる分離)

「八七パーセントの確率 この章の冒頭で、自由主義に対する実際的な脅威をいくつか挙げた。その第一は、人間が軍事的にも経済的にも無用になるというものだ。もちろん、これは予言ではなく、ただの可能性にすぎない。(略) 自由主義が直面する第二の脅威は…

ホモ・デウス(下)(第9章 知能と意識の大いなる分離)

「そのようなアルゴリズムが人間の資本家よりも優れた実績を一貫して残せば、アルゴリズムから成る上流階級がこの惑星のほとんどを所有するという結果になりかねない。これはありえないようにおもえるかもしれないが、あっさり切り捨てる前に思い出してほし…

ホモ・デウス(下)(第9章 知能と意識の大いなる分離)

「生身の兵士は予測不能の面を持ち、恐れや飢えや疲労に影響されやすいことに加えて、しだいに不適切な時間スケールで考えたり行動したりするようになっている。バビロニア王ネブカドネザルの時代からイラクのサダム・フセインの時代まで、無数のテクノロジ…

ホモ・デウス(下)(第9章 知能と意識の大いなる分離)

「前の章では、自由主義の哲学を切り崩す近年の科学的発見をざっと眺めて来た。今度はそうした発見の実際的な意味合いを考察しよう。自由主義者は自由市場と民主的な選挙を擁護する。一人ひとりの人間が比類のない価値のある個人であり、その自由な選択が権…

ホモ・デウス(下)(第8章 研究室の時限爆弾 )

「人生の意味 物語る自己は、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短篇「問題」のスターだ。この小説は、ミゲル・デ・セルバンテスの有名な小説の題名の由来となったドン・キホーテに関わる。(略) もしこうした空想を信じているせいでドン・キホーテが本物の人間を…

ホモ・デウス(下)(第8章 研究室の時限爆弾)

「人が経済的な決定をどう下すかを知りたがっている行動経済学者たちも、同じような結論に達している。 正確に言うなら、彼らが知りたいのは、誰がそうした決定を下すか、だ。誰がメルセデス・ベンツではなくトヨタの自動車を買うことや、休暇にタイではなく…

ホモ・デウス(下)(第8章 研究室の時限爆弾)

「もし哲学が実地に試されている所を見たければ、ロボラットの研究室を訪ねるといい。ロボラットはありきたりのラットに一工夫加えたもので、脳の感覚野と報酬領域に電極を埋め込まれている。そのおかげで、科学者はリモートコントロールでラットを好きなよ…