読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

永遠の夏をあとに

〇彩雲国物語8巻「 心は藍よりも深く」を読み始めた所で、 雪乃紗衣さんが、「永遠の夏をあとに」という物語を出版しているのを知りました。 彩雲国物語はとても面白かったのですが、SF的なものは、イマイチ入り込めない方 なので、なかなか次の小説に手を…

彩雲国物語

PCの不調やその他の理由で、しばらく「本」から逃げていました。 というより、あの山本七平著「日本人とは何か」を読んでいるうちに、 私の中に生まれた疑念は、「私たちは結局変われないのではないか…」という気持ちでした。 あの太平洋戦争を乗り越え、私…

いかれころ

〇 三国美千著「いかれころ」を読みました。 読書は苦手だと何度か書いたのですが、これも出会いなのでしょうか。 たまたま目にした題名を見て、どういう意味だろう?と思ったので、 読んでみることにしました。 少し前に読み終わったのですが、結局「いかれ…

日本人とは何か。

「3 律令制の成立 ◎”科挙抜き律令制”の導入 (略) 「では天皇は日本人の教皇(ポープ)なのか」。この質問には少々弱った。後にイエズス会の東洋宗教研究所(当時)トマス・インモース師から、キリシタン宣教師が「天皇を教皇に、足利将軍を実権なき神聖ロ…

日本人とは何か。

「かな文字文化完成への苦戦 だが、一つの文字文化 ―― それはその文化の基本を形成するものだが ―― を、何の模範も前例もなく、文字通り創出しようとするものは、常に苦闘を強いられた。日本人が「かな」の完成へと苦闘する三千年以上も昔に、セム族のアッカ…

日本人とは何か。

「◎「かな」はだれが造ったのか では一体、日本文化を決定したといえる「かな」はだれがつくったのであろう。(略) 漢字をそのまま表音文字に用いた「万葉仮名」が「かな」の基本であることは言うまでもないが、「万葉集」自体が5世紀前半から天平宝字三年…

日本人とは何か。

「2 文字の創造 ◎ 日本文化の源「かな」 (略) もちろん文字なき文化はあるし、言葉なき思想もありうる。だが「古事記」「万葉集」から「竹取物語」や「源氏物語」「伊勢物語」「平家物語」、さらに歌集・日記類から随筆「徒然草」に至る膨大な「かな古典…

日本人とは何か。

「◎「骨(かばね)の代」の氏族体制 一体「骨(かばね)」とは何であろうか。それは大体氏族の首長もしくは中心的人物をいうと定義してよいであろう。これは韓国語の「骨」の用法を用いたと見るのが定説で、韓国では「真骨」もしくは「第一骨」といえば王族…

日本人とは何か。

◎ 津田左右吉博士の卓説 (略) 津田博士は「日本書紀」や「古事記」は「歴史的事件」の記述ではないが、「歴史的事実」を現わしているといわれ、この二つの関連を「源氏物語」を例に説明されている。「源氏物語」は小説で登場人物も事件もすべてフィクショ…

日本人とは何か。

「◎人類史を駆け抜けてきた民族 「日本人」—— 外国人はこの名称を付された民族に、「何か理解しかねるものがある」という感じを持つことがあるらしい。その感じから出たらしい質問に接した場合、私は大体、次のように答える。 「日本人は東アジアの最後進民…

日本人とは何か。

〇 山本七平著「日本人とは何か。ー 神話の世界から近代まで、その行動原理を探るー」を読み始めました。 読み始めたのはもうずいぶん前です。山本氏の著作は古文書等を挙げて論じているものが多く、その難しさに私の頭はついて行けません。 そんなわけで、…

パンとサーカス

〇 昨日(8月29日)で新聞連載小説「パンとサーカス」が完結しました。 私の頭ではついて行けないほど、複雑で奥行きが深く、絶望的な気持ちになることもありながら、読みました。でも、最後は、少しホッとできる終わり方で良かったです。 7月21日と2…

国体論 ー菊と星条旗—

「3 再び「お言葉」をめぐって ▼7歴史の転換と「天皇の言葉」 本書で見てきた「戦後の国体」の崩壊過程における危機という文脈は、第一章で論じた、今上天皇による異例のメッセージ、「お言葉」が発せられた文脈でもある。だからこそ、あのメッセージを見聞…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼天皇制平和主義 そして、かかる振舞もやはり、「戦後の国体」の起源に関わっている。「天皇制民主主義」を指摘したジョン・ダワーは、戦後日本の国是となった平和主義の始発点に関して、鋭くも次のように指摘している。 マッカーサーは日本人に古い残存物…

国体論 ー菊と星条旗—

「自民党政権の本質が、「戦後の国体」としての永続敗戦レジームの手段を選ばない死守であることに照らせば、戦後日本に経済的繁栄をかつてもたらした要因としての戦争に、同レジームが再び依存しようとしたとしても、何ら驚くべきことではない。実際、その…

国体論 ー菊と星条旗—

「2 国体がもたらす破滅 ▼ 破滅はどのように具体化するか かくして、「戦後の国体」の幻想的観念は、強力に作用し社会を破壊してきた。論理的に言って、その果てに待つのは破滅であるほかないであろう。それがどのようなかたち― たとえば、経済危機とそれに…

国体論 ー菊と星条旗—

「終章 国体の幻想とその力 1 国体の幻想的観念 ▼「国体」の再定義 以上、われわれは駆け足で「国体」の二度にわたる形成・発展・崩壊の歴史をたどってきた。(略) ところで、戦後に天皇制を語る際に繰り返し参照されてきた、「一木一草に天皇制がある」と…

国体論 ー菊と星条旗—

「4 ふたつのアイデンティティー ▼改憲論争の盲点 (略) しかし、本書の議論からすれば、「改憲か護憲か」という問題設定は、疑似問題にすぎない。第五章で論じたように、最高法規であるはずの日本国憲法の上位に、日米安保条約とそれに付随する日米地位協…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼ 新しい「皇道」 (略) 彼の常識では、辺野古新基地建設に反対する翁長雄志沖縄県知事をはじめとする「オール沖縄」は、「親中」で「反米」で「反日」であるということらしい。(略) ここにおいて「反日=反米」、したがって逆に言えば、「愛国=親米」…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼ 「愚かしい右翼」の台頭 自民党所属国会議員である山田宏は、二〇一八年一月一六日に自らのツイッター・アカウント上で、次のように書いている。 沖縄県名護市長選挙が始まる。翁長知事の「オール沖縄」という名の親中反米反日 勢力と共にある現職は、名…

国体論 ー菊と星条旗—

「3 隷属とその否認 ▼奴隷の楽園 しかし、ヘゲモニー国家は軍事的にも最強国であるという一般的な原則は、現在の日本がこれまで踏襲してきた対米従属路線をさらに追及しなければならない理由にはならない。 端的に言えば、日本の対米従属の問題性の核心は、…

国体論 ー菊と星条旗—

「2 異様さを増す対米従属 ▼ 収奪攻勢としてのグローバリゼーション (略) これらすべては、「グローバリゼーションへの対応・推進」の名の下に、アメリカに本拠地を持つ場合の多いグローバル企業が日本の企業へ参入する道筋をつくるものだった。(略) つ…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼なぜアメリカから日本にヘゲモニー交代が起きなかったのか 問題は、この過程がどのように日本の「戦後の国体」に作用してきたのか、そして逆に日本の存在がこの過程にどのように作用してきたのか、ということである。 ウォーラースティンを筆頭とする世界…

国体論 ー菊と星条旗—

「第八章「日本のアメリカ」 ― 「戦後の国体」の終着点 (戦後レジーム:相対的安定期~崩壊期) 1 衰退するアメリカ、偉大なるアメリカ ▼ 衰退するアメリカとヘゲモニー維持の謎 世界システム論の論客に、経済史家のジョヴァンニ・アリギがいる。彼の主著…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼ 磯部浅一における国体 青年将校のうちで北一輝の理論を最も強く信奉していたと見られる磯部浅一は、天皇が自分たちに共感するどころか激怒していることを知り、「獄中手記」 に、天皇への激しい呪詛の言葉を書き連ねることとなる。(略) 磯部浅一が遺し…

国体論 ー菊と星条旗—

「5 北一輝と「国民の天皇」 ▼北一輝の明治維新観と天皇制論 天皇制=絶対主義という講座派の図式と、明治維新=市民革命という労農派の図式が対立するはるか以前に、労農派的な明治維新把握をきわめて徹底したやり方で打ち立てていた人物がいる。北一輝で…

国体論 ー菊と星条旗—

「4 天皇制とマルクス主義者 ▼急進化する大正デモクラシーと治安維持法 (略) 一九二二年には堺利彦・山川均・荒畑寒村ら古参の社会主義者たちによって日本共産党が地下組織として結成されるが、その背景には、一九一九年にコミンテルン(第三インターナシ…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼ 匿名の人間による「デモクラティックな暗殺」 橋川文三は、朝日の遺書を分析してこの暗殺事件の質的な新しさを指摘している。 (略) ここに例示されている紀尾井坂の変(大久保利通暗殺)の実行者は、旧武士階級という身分を代表して大久保を斬った。あ…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼ 徳富蘆花の議論の先見性 (略) すなわち、「よくない天皇の周囲」=「君側の奸」を討てば、「本来の天皇の政治」が実現するはずだという論理である。 この二点において、蘆花の議論は予見的であった。しかし、とにもかくにも、幸徳秋水は天皇から抱擁さ…

国体論 ー菊と星条旗—

「「2 明治レジームの動揺と挫折 ▼「臣民としての国民」から「個人と大衆」へ 第三章に述べた通り、日露戦争の終結から大逆事件に至る時代は、「戦前の国体」の「形成期」から「相対的安定期」への転換期にほかならなかった。(略) しかし、この転換期の時…