読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

国体論 ー菊と星条旗—

「2 異様さを増す対米従属 ▼ 収奪攻勢としてのグローバリゼーション (略) これらすべては、「グローバリゼーションへの対応・推進」の名の下に、アメリカに本拠地を持つ場合の多いグローバル企業が日本の企業へ参入する道筋をつくるものだった。(略) つ…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼なぜアメリカから日本にヘゲモニー交代が起きなかったのか 問題は、この過程がどのように日本の「戦後の国体」に作用してきたのか、そして逆に日本の存在がこの過程にどのように作用してきたのか、ということである。 ウォーラースティンを筆頭とする世界…

国体論 ー菊と星条旗—

「第八章「日本のアメリカ」 ― 「戦後の国体」の終着点 (戦後レジーム:相対的安定期~崩壊期) 1 衰退するアメリカ、偉大なるアメリカ ▼ 衰退するアメリカとヘゲモニー維持の謎 世界システム論の論客に、経済史家のジョヴァンニ・アリギがいる。彼の主著…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼ 磯部浅一における国体 青年将校のうちで北一輝の理論を最も強く信奉していたと見られる磯部浅一は、天皇が自分たちに共感するどころか激怒していることを知り、「獄中手記」 に、天皇への激しい呪詛の言葉を書き連ねることとなる。(略) 磯部浅一が遺し…

国体論 ー菊と星条旗—

「5 北一輝と「国民の天皇」 ▼北一輝の明治維新観と天皇制論 天皇制=絶対主義という講座派の図式と、明治維新=市民革命という労農派の図式が対立するはるか以前に、労農派的な明治維新把握をきわめて徹底したやり方で打ち立てていた人物がいる。北一輝で…

国体論 ー菊と星条旗—

「4 天皇制とマルクス主義者 ▼急進化する大正デモクラシーと治安維持法 (略) 一九二二年には堺利彦・山川均・荒畑寒村ら古参の社会主義者たちによって日本共産党が地下組織として結成されるが、その背景には、一九一九年にコミンテルン(第三インターナシ…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼ 匿名の人間による「デモクラティックな暗殺」 橋川文三は、朝日の遺書を分析してこの暗殺事件の質的な新しさを指摘している。 (略) ここに例示されている紀尾井坂の変(大久保利通暗殺)の実行者は、旧武士階級という身分を代表して大久保を斬った。あ…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼ 徳富蘆花の議論の先見性 (略) すなわち、「よくない天皇の周囲」=「君側の奸」を討てば、「本来の天皇の政治」が実現するはずだという論理である。 この二点において、蘆花の議論は予見的であった。しかし、とにもかくにも、幸徳秋水は天皇から抱擁さ…

国体論 ー菊と星条旗—

「「2 明治レジームの動揺と挫折 ▼「臣民としての国民」から「個人と大衆」へ 第三章に述べた通り、日露戦争の終結から大逆事件に至る時代は、「戦前の国体」の「形成期」から「相対的安定期」への転換期にほかならなかった。(略) しかし、この転換期の時…

歴史の中のイエス像

〇 国体論の途中ですが、松永希久夫著「歴史の中のイエス像」から少しメモしておきたいと思います。 私の疑問は、何故、キリスト教圏では、真実が重んじられる社会システムが作られたのに、仏教圏では、そうはならなかったのか…なのです。 仏教でも、嘘はい…

国体論 ー菊と星条旗—

「第七章 国体の不可視化から崩壊へ (戦前レジーム:相対的安定期~崩壊期) 1戦前・戦後「相対的安定期」の共通性 ▼「戦前レジーム」と「戦後レジーム」の並行性 (略) 両時期には、次のような四つの共通点を見いだすことができる。 ① 国体の不可視化と…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼第二、第三の<狼> 先にも述べたように、東アジア反日武装戦線を世論は激しく指弾した。(略) このように、彼らは世間から理解を拒否されることをもとより覚悟していたわけだが、その予想通りに、鈴木邦男の言葉によれば、マスコミは「「彼らは気違いだ…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼私的幸福への沈潜と公なるものに対するニヒリズム (略) 吉本の考えでは、戦後民主主義なるものに成果があるとすれば、それは、戦争体験と敗戦直後の経験を通じて、「天下国家・公なるもの」の欺瞞性を日本人が徹底的に認識し、国家によってであれ、「公…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼六〇年安保 (略)近代前半の第一期とのアナロジーで言えば、一九六〇年は、一八八九年の大日本帝国憲法発布前後の状況に擬えることができる。すなわち、レジームが根本的な不安定性を克服し、潜在していた「別の理想」の実現可能性を無効化するに至った…

国体論 ー菊と星条旗—

「第六章 「理想の時代」とその蹉跌 (戦後レジーム:形成期③) 1 焼け跡・闇市から「戦後の国体」の確立へ ▼理想の時代 前章で見てきた「国体を護持した敗戦」と占領、講和条約の発効、日米安保体制の成立にまつわる政治神学的過程の進行と並行して、この…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼ 昭和天皇の「言葉のアヤ」発言 (略) あまりに重い戦争責任の問題を「言葉のアヤ」と呼んだことには、ある種の過剰性が感じられる。(略) なぜなら、国体護持のために日米合作でつくられた物語は、「天皇に戦争責任はない」と政治的に決めたのである。…

国体論 ー菊と星条旗—

「4 征夷するアメリカ ▼征夷大将軍マッカーサーという物語 かくて、敗戦と混乱、被占領という危機を乗り越えて、初期戦後レジームの骨格、すなわち、日米安保条約を基礎とする微温的な反共主義体制が結果的に成立するが、そこから遡及的に見れば、マッカーサ…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼「新しい国体」と新憲法制定 この統治構造は、新憲法(日本国憲法)の制定過程にもよく表れている。 (略) 言い換えれば、国体の頂点を占めるGHQ(=連合国、実質的にアメリカであり、より実質的にはマッカーサー)が、天皇を通じて主権を行使する、とい…

パンとサーカス

〇 「国体論」の中で、天皇制民主主義によって、アメリカは、 日本人を上手く統治してきたという説明を聞くと、なるほど、と思います。 また、新聞小説の「パンとサーカス」では、具体的な物語として、現代にまで続くアメリカの「支配」を描いています。 五…

国体論 ー菊と星条旗—

「3国体のフルモデルチェンジ ▼「八月革命」の真相 ― 天皇からGHQへの主権の移動 それでもこの間、日本国の許に主権がなかったからといって、主権そのものが蒸発していたわけではない。いやしくも、何がしかの決定が実効的になされうる政治秩序が存在するの…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼不可視化され、否認された「主権の制限」 かつ、この問題は、占領が終わることによって自動的に解消されたものでもない。 サンフランシスコ講和条約の発効による占領の終結は、バーンズ回答に言う、「最終的ノ日本国政治ノ形態」が「日本国民ノ自由ニ表明…

国体論 ー菊と星条旗—

「第五章 国外護持の政治神学 (戦後レジーム:形成期②) 1ポツダム宣言受諾と国体護持 ▼「国体護持」の実相 ポツダム宣言受諾の際、日本側が付けようとした唯一の降伏条件として「国体護持」が問題となったことはよく知られている。 (略) この過程が意味…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼なぜ日本人はこの神話を手放さないのか (略) それは、この神話を信じたい動機が戦後の日本人にあるからだろう。その動機とは、自分たちの戴く君主が高潔な人格の持ち主であってほしいという願望だけではない。天皇の高潔さにマッカーサーが感動し、天皇…

国体論 ー菊と星条旗—

「第四章 菊と星条旗の結合 ―「戦後の国体」の起源 (戦後レジーム:形成期①) 1「理解と敬愛」の神話 ▼「戦後の国体」の起源 ― 昭和天皇・マッカーサー会見 (略) 戦前と戦後、このふたつの「国体」がどのように違い、何が継続しているのかを見るには、そ…

国体論 ー菊と星条旗—

「3 明治の終焉 ▼「坂の上の雲」の先の光景 立憲政体としての体裁をとにもかくにも整えた大日本帝国は、日清・日露戦争の勝利によって本格的な帝国主義国家の地位を獲得するに至る。一九一一年には、幕末以来の悲願であった不平等条約の改正も完了する。(…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼ 明治憲法の二面性 ― 天皇は神聖皇帝か、立憲君主か (略) 明治憲法の最大の問題は、それが孕んだ二面性であった。すなわち、この憲法による天皇の位置づけは、絶対的権力を握る神聖皇帝的なものであったのか、立憲君主制的なそれであったのか、という問…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼ 憲法制定権力としての自由民権運動 かくして、物理的暴力によって新政府に対抗する途を閉ざされた抵抗勢力は、言論闘争を軸とした闘争(自由民権運動)へと転換を余儀なくされる。(略) 言論闘争の場が公式に与えられることが予定されているにもかかわ…

国体論 ー菊と星条旗—

「第三章 近代国家の建設と国体の誕生 1 明治維新と国体の形成 ▼ 若き北一輝の嘆き 本章では、「戦前の国体」が形成された時期、すなわち「戦前レジーム」の確立過程にスポットをあてる。具体的には、明治維新(一八六八年)に始まり、大日本帝国憲法の制定…

国体論 ー菊と星条旗—

「(略) ▼ 「理想の時代」「虚構の時代」「不可能性の時代」 右に述べてきた歴史の三段階における各時代の簡潔な特徴づけは、次のように可能である。 先に言及した大澤真幸は、見田宗介が一九九〇年に提示した戦後の時代区分(「理想の時代:一九四五~六〇…

国体論 ー菊と星条旗—

「 3 戦前国体の三段階 ▼ 「戦前の国体」の三つの段階 国体の歴史的軌道を追跡するにあたって示唆を与える議論を展開しているのが、社会学者・大澤真幸の「戦後の思想空間」(一九九八年)である。同書で大澤は、戦前と戦後の並行性を考察しているが、その…