読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

前世は兎

〇吉村萬壱著「前世は兎」を読みました。 短編集です。最初に読んだのは、「前世は兎」。次に「宗教」、「沼」、「梅核」、「ランナー」を読みました。 「前世は兎」は、すぐに物語に引き込んでくれて、ありがたいと思いました。 私は、読書があまり得意では…

死にゆく人のかたわらで

「あとがき 夫は悪く言えば、不器用というか、考えなしというか、適当というか、そういうところのすごくある人だった。(略) ある年末の日、カーテンを洗濯機に入れたものの、そのまま出かけなければならなくて、夫に「カーテン、洗ったから、フックを付け…

死にゆく人のかたわらで

「第8話 人生最大のストレス 二〇一五年六月に末期ガンの夫を家で看取った。配偶者の死、というのは人間にかかる「ストレス」のうちで最も大きいもののひとつであるという。ライフイベントとストレスに関する有名な尺度があって、「配偶者の死」の次には「…

死にゆく人のかたわらで

「第7話 総論としてはよきこと 延命治療はしてもらいたくない。そういう人は増えた。遺漏や、経管栄養や、あるいは人工呼吸器や、いわゆる命をながらえるためだけの措置は、できるだけしてほしくない。自分に意識がなくなってしまったらな、もちろん家族に…

死にゆく人のかたわらで

「第6話 「急速な老化で死ぬ」ということ ガンの末期は痛い。痛い、痛い、そう思っていた。わたしも、中咽頭原発、頸部リンパ節転移の末期ガンで死んだ、亡き夫も。 ガンは、最後、痛いんだってね。耐えられないような痛みで、つらいんだってね。でも最近は…

死にゆく人のかたわらで

「第5話 お金の問題 自宅で死ねない二つの心配事 自宅で死にたいが、不安なのは「お金」と「痛み」であるという。家族に負担をかけるのではないか、ということはもちろん心配なのだが、それと同じくらい「お金」と「痛み」が心配なのだという。「末期ガンの…

死にゆく人のかたわらで

「伊豆に出かける「暴挙」 この状況はこの時点でしばらく続く。最初に倒れた時点では、いったいなぜ倒れたのか、わからない。もともとてんかんの治療を受けていたわけだから、てんかん発作だったのか、と、その時は思っていたし、意識がないわけでもなかった…

死にゆく人のかたわらで

「第4話 いちばん怖かったこと 介護をするときに怖いこと 死にゆくプロセスを家で看取る。ガンの末期の家族を家で看取る。 本書のテーマはそのことである。それは、そんなに怖いことではなくて、家族が決意すれば可能なように思う、ということを、末期ガン…

死にゆく人のかたわらで

「いやおうなしに持った覚悟 夫が六〇を過ぎて退職し、しばらくしたころ、朝六時半、そのバクダンはバクハツした。隣に寝ている夫が「頭が痛い」と言う。ほどなく「あ、これはいつものと違う、すぐに救急車を呼んでくれ」と言う。(略) 救急制度、というも…

死にゆく人のかたわらで

「酸素吸入器をはずす 死にゆく夫と、そこに寄り添っているわたしが静かな時間を過ごせるように、そこに第三者が入って、邪魔をしたり、あれこれよけいな「処置」をしたりしないように、新田先生のたたずまいは、絶妙でだった。「夜中だったらわたしだけ呼ん…

死にゆく人のかたわらで ―ガンの夫を家で看取った二年二カ月

〇気持ちが不安定になり、なかなか落ち着いてPCに向かえなくなったので、「本のメモ」を休みがちになっていたのですが、また、少しずつ続けたいと思います。 途中になっていた、三砂ちづる著「死にゆく人のかたわらで」の メモをしたいと思います。この前の…

〇 「母」も「銃口」も「泥流地帯」も、話題になるたびに、 気にはなっていたのですが、読みませんでした。 三浦綾子の本で、読んだことがあるのは、「道ありき」と「塩狩峠」だけです。そして、今回やっとこの「母」を読みました。 読みやすくてありがたか…

道ありき

〇 先日帰って来た息子が、「三浦綾子が面白かった」と言ったので、 ちょっとびっくりしました。「塩狩峠」を読んだそうです。 私が三浦綾子のものを読んだのは、高1の時でした。 「道ありき」を読みました。強烈な印象と強い感動があって、 この本は、もう…