読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

パンとサーカス

〇 昨日(8月29日)で新聞連載小説「パンとサーカス」が完結しました。 私の頭ではついて行けないほど、複雑で奥行きが深く、絶望的な気持ちになることもありながら、読みました。でも、最後は、少しホッとできる終わり方で良かったです。 7月21日と2…

国体論 ー菊と星条旗—

「3 再び「お言葉」をめぐって ▼7歴史の転換と「天皇の言葉」 本書で見てきた「戦後の国体」の崩壊過程における危機という文脈は、第一章で論じた、今上天皇による異例のメッセージ、「お言葉」が発せられた文脈でもある。だからこそ、あのメッセージを見聞…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼天皇制平和主義 そして、かかる振舞もやはり、「戦後の国体」の起源に関わっている。「天皇制民主主義」を指摘したジョン・ダワーは、戦後日本の国是となった平和主義の始発点に関して、鋭くも次のように指摘している。 マッカーサーは日本人に古い残存物…

国体論 ー菊と星条旗—

「自民党政権の本質が、「戦後の国体」としての永続敗戦レジームの手段を選ばない死守であることに照らせば、戦後日本に経済的繁栄をかつてもたらした要因としての戦争に、同レジームが再び依存しようとしたとしても、何ら驚くべきことではない。実際、その…

国体論 ー菊と星条旗—

「2 国体がもたらす破滅 ▼ 破滅はどのように具体化するか かくして、「戦後の国体」の幻想的観念は、強力に作用し社会を破壊してきた。論理的に言って、その果てに待つのは破滅であるほかないであろう。それがどのようなかたち― たとえば、経済危機とそれに…

国体論 ー菊と星条旗—

「終章 国体の幻想とその力 1 国体の幻想的観念 ▼「国体」の再定義 以上、われわれは駆け足で「国体」の二度にわたる形成・発展・崩壊の歴史をたどってきた。(略) ところで、戦後に天皇制を語る際に繰り返し参照されてきた、「一木一草に天皇制がある」と…

国体論 ー菊と星条旗—

「4 ふたつのアイデンティティー ▼改憲論争の盲点 (略) しかし、本書の議論からすれば、「改憲か護憲か」という問題設定は、疑似問題にすぎない。第五章で論じたように、最高法規であるはずの日本国憲法の上位に、日米安保条約とそれに付随する日米地位協…