読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

2017-01-01から1年間の記事一覧

サピエンス全史 下

「<自由市場というカルト> たとえば、政府が企業経営者に重税を課し、その税収を失業手当として大盤振る舞いするとしよう。この政策は有権者に人気が高い。 ところが、多くの実業家に言わせれば、政府はそのお金を彼らに持たせておいた方がはるかにいいと…

サピエンス全史 下

「<資本の名の下に> 投資家の利益のためにおこなわれた戦争は、決してこれだけにとどまらない。それどころか、戦争自体がアヘンのように商品になりえた。(略) だがロンドンの投資家たちは、この戦いは商機になると読んでいた。彼らは、ギリシアの反乱軍…

サピエンス全史 下

「<拡大するパイ> 資本主義の第一の原則は、経済成長は至高の善である、あるいは、少なくとも至高の善に代わるものであるということだ。なぜなら、正義や自由やさらには幸福まで、すべてが経済成長に左右されるからだ。 資本主義に尋ねてみるといい。ジン…

サピエンス全史 下   ― あとがき ―

〇「あとがき_神になった動物」 ユヴァル・ノア・ハラリ著 サピエンス全史 下巻 読み終わりました。読み終わって少し涙がでました。 丁度昔、あの「赤ずきんちゃん気を付けて」を読み終わった時のような 感動と純粋な気持ちと感謝のようなものが入り混じっ…

サピエンス全史 下

「この制度では、人々は想像上の財、つまり現在はまだ存在していない財を特別な種類のお金に換えることに同意し、それを「信用(クレジット)」と呼ぶようになった。この信用に基づく経済活動によって、私たちは将来のお金で現在を築くことができるようにな…

サピエンス全史 下

「第十六章 拡大するパイという資本主義のマジック だが経済の近代史を知るためには、本当はたった一語を理解すれば済む。その一語とはすなわち、「成長」だ。」 「歴史の大半を通じて、経済の規模はほぼ同じままだった。(略)西暦1500年の世界全体の財…

サピエンス全史 下

「<帝国が支援した近代科学> 近代の科学と帝国は、水平線の向こうには何か重要なもの、つまり探索して支配するべきものが待ち受けているかもしれないという、居てもたってもいられない気持ちに駆り立てられていた。(略) 帝国を築く人たちの慣行と科学者…

サピエンス全史 下

〇 読み物としても、とても面白いです。 引き込まれて、今日は第十八章 213Pまで読んでしまいました。 大雑把な感想としては、「☆資源が枯渇する、という不安をあおる人がいるけれど、エネルギー資源は枯渇しない。 ☆国民・消費者 というのは想像上のもの…

サピエンス全史 下

<空白のある地図> 「十五世紀から十六世紀にかけて、ヨーロッパ人は空白の多い地図を描き始めた。ヨーロッパ人の植民地支配の意欲だけでなく、科学的な物の見方の発達を体現するものだ。 空白のある地図は、心理とイデオロギーの上での躍進であり、ヨーロ…

サピエンス全史 下

「第十五章 科学と帝国の融合 <なぜヨーロッパなのか> クックの遠征の少し前まで、イギリス諸島とヨーロッパ西部は概して、地中海世界から遠く離れ、取り残された場所にすぎなかった。(略) ヨーロッパがようやく軍事的、政治的、経済的、文化的発展の重…

サピエンス全史 下  _目次

〇 順不同になってしまいましたので、ここで、この本の「見出し」だけをメモしておきたいと思います。上巻はまだ読んでいませんが、上巻からメモしておきます。 「上巻」 第一部 認知革命 第一章 唯一生き延びた人類種 第二章 虚構が協力を可能にした 第三章…

サピエンス全史 下

「科学者自身はお金の流れを支配している政治的、経済的、宗教的関心をいつも自覚しているわけではないし、実際、多くの科学者が純粋な知的好奇心から行動している。とはいえ、科学者が科学研究の優先順位を決めることはめったにない。 たとえ私たちが、政治…

サピエンス全史 下

〇 メモをしながら読むと結構時間がかかるので、メモなしで、 どんどん読んでいます。面白いです! 今、見出し「科学を気前よく援助する人々」というところを読み始めたのですが、 ちょっと感動しています。 というのも、このハラリ氏、まさにあの「アーレン…

サピエンス全史 下

「ローマ人が許容するのを長い間拒んだ唯一の神は、一神教で福音を説くキリスト教徒の神だった。」 「キリストが十字架に架けられてから皇帝コンスタンティヌスがキリスト教に改宗するまでの300年間に、多神教徒のローマ皇帝がキリスト教徒の全般的な迫害…

サピエンス全史 下

ユヴァル・ノア・ハラリ著 「サピエンス全史 下」を読んでいます。 副題が「文明の構造と人類の幸福」。 上・下巻、同時に予約したのですが、予約者がメチャメチャ多くて、忘れたころに 借りられることになり、しかも下巻が先になってしまいました。 でも、…

「空気」の研究  「日本的根本主義(ファンダメンタリズム)について」

〇実は、ここも読み終え、この「空気の研究」は、一応読み終わりました。 この「ファンダメンタリズム」についても、考えさせられることがたくさんありました。 今までと同じように、気持ちに引っかかった言葉を一つ一つメモしておきたいところですが、それ…

「空気」の研究  「水=通常性」の研究

「そのため、われわれは今でも「水を差す自由」を確保しておかないと大変なことになる、という意識をもっており、この意識は組織内でも組織外でも働き、同時にこの自由さえ確保しておけば大丈夫という意識も生んだ。 だがしかし、この「水」とはいわば「現実…

「空気」の研究  「水=通常性」の研究

「言うまでもないが、天皇がただの人にすぎないことは、当時の日本人は全員がそれを知っていた。知っていたが、それを口にしないことに正義と信実があり、それを口にすれば、正義と信実がないことになる、ということも知っていた。(略) この原則は、簡単に…

「空気」の研究  「水=通常性」の研究

「そしてその「力」は外部から来るはずはなく、我々の内部すなわち日々の生き方の規範の集積の中に、いわばその通常性という無意識の規範の中にあるはずである。 というのは無意識でないならば、われわれがそれに自滅するまで支配されることはあり得ないから…

「空気」の研究  「水=通常性」の研究

「現に、故児玉隆也氏が取材に行ったとき、まず最初にきかれたことがf「あなたは、どちら側に立って取材するのか」ということであった。これは簡単にいえば、どの側と”父と子”の関係にあるのかということであろう。」 〇これは、今も頻繁に出てくる問題です…

「空気」の研究  「水=通常性」の研究

「言うまでもなく、三十年前までの日本は、「忠孝一致」で「孝」を組織へと拡大化した状態を「忠」と呼び、「君、君たらずとも臣は臣たれ」を当然とした社会であった。」 「しかし、一民族を全く無干渉に自由に放置しておいたらどうなるか。それは、否応なく…

「空気」の研究  「水=通常性」の研究

〇孔子は「父が羊を盗み、その子がそれを証言するなどということは、「直キ者」ではない」と言っている。 「父は子の為に隠し、子は父の為に隠す。「直キコト其ノ中に在リ」」と。 でも、山本氏はここで、孔子の生き方に触れ、「君君たらずんば、臣臣たらず…

「空気」の研究  「水=通常性」の研究

「もちろん、尺度というものは、常に、非人間的であり、人間が自分の方からこれに触れることが不可能であるがゆえに人間が使用できる尺度となりえて、平等に人間を規制しうる。 これがその考え方の基本であって、この基礎は、古代における「計り」の神聖視や…

「空気」の研究  「水=通常性」の研究

「これは「天皇の戦争責任」論争をみても、今の「共産党リンチ事件」にまつわる論争を見ても明らかである。ところが非難をしているものも、その非難に対して自己を弁護している者も、またその弁護を非難している者も実は「同一基準」に基づく考え方の表と裏…

「空気」の研究  「水=通常性」の研究

「われわれの社会にはこの「水」の連続らしきもの、すなわち何か強力な消化酵素のようなものがあり、それに会うと、すべての対象はまず何となく輪郭がぼやけ、ついで形がくずれ、やがて溶解されて影も形もなくなり、どこかに吸収され、名のみ残って実体は消…

「空気」の研究

「そして、教育勅語のように言語もしくは名称が写真とともに偶像となり、礼拝の対象となって、この偶像へ絶対帰依の感情が移入されれば、その対象は自分たちを絶対的に支配する「神の像」となり、従って、天皇が現人神となって不思議でないわけである。 (略…

「空気」の研究

「「絶対」といえる対象は一神だけだから、他のすべては徹底的に相対化され、すべては、対立概念で把握しなければ罪なのである。」 「これでは”空気”は発生しえない。発生してもその空気が相対化されてしまう。そして相対化のこの徹底が残すものは、最終的に…

「空気」の研究

「…人間の儀礼には、道理の判然せざるもの尠からずと雖も、吾人は今日の小学中学等に於いて行はるる影像の敬礼、勅語の拝礼を以て殆ど児戯に類することなりといはずんばあらず。憲法にも見えず、法律にも見えず、教育令にも見えず、唯当局者の痴愚なる頭脳の…

「空気」の研究

「さらにそれに「公害問題の真相を衝く」の連載をしてきた「実業の日本」誌編集長吉田信美氏の、この「大過に充ちた」公害行政のやり方が「…第二次世界大戦前夜、アメリカの実体認識も十分にせず、猪突猛進していった陸軍の単細胞的敢闘精神に似たもの…」に…

「空気」の研究

〇 この本は、単行本として昭和52年に出版されています。ところが、この中で、イタイイタイ病について、 「カドミウム鉱山は世界に数多いが、イタイイタイ病が存在するのは神通川流域だけだそうである。」 と書かれていて、あたかも、イタイイタイ病とカド…