読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

天皇の戦争責任(第一部  戦争責任)

「神聖ニシテ侵スヘカラス 竹田 では、そういう構想を考えていく手掛かりとして、天皇をどうイメージするか、天皇に戦争責任があるか、という問題に戻ってみたいと思うのですが。 橋爪 そこに戻って言えば、私が天皇を評価する最大の理由は、いくつきあの局…

天皇の戦争責任(第一部  戦争責任)

「憲法第九条 ― 戦争放棄 加藤 憲法について議論が進んでいるので、このあたりでちょっと第九条の問題についても語っておきます。戦争放棄条項と天皇の関係は、憲法で言うと第九条と第一条の関係になります。昭和天皇が東京裁判で免責となり、現憲法に第一条…

天皇の戦争責任(第一部  戦争責任)

「正統性の根拠 加藤 僕の観点をはっきりさせるために、なぜ天皇について考えることが大事か、もう少し言ってみます。 僕は戦前の日本人は、自分が日本という国の中でどういう存在なのか、あるいは日本の国民とはどういう存在なのかということについての認識…

天皇の戦争責任(第一部  戦争責任)

「天皇言説の歪み 竹田 話を聞いていると、二人の考えがちょうど交差するところがみえてきた、という感じがします。橋爪さんの考え方はこうだと思う。戦争責任を問う場合、原則として当時の状況に立って考えるべきであり、いまの時点から結果論的に判定する…

天皇の戦争責任(第一部  戦争責任)

「戦争を裁くルール (略) 加藤 (略) 罪の概念についてはヤスパースが次のように分類しています。まず刑法的な罪というものがある。これは法を破った罪で、裁判所が裁く。次が政治的な罪で、これは政治的共同体のリーダーに課せられる。ただし、近代国家…

天皇の戦争責任(第一部  戦争責任)

「責任とは何か (略) 橋爪 まず、個々人がお互いに責任を追及し合うのはなぜかというと、行為に先立って「自分はこう行動すべきである。相手はこう行動すべきである」という予測があるからです。そして、それが裏切られたときに、現状を追認しないで、「あ…

天皇の戦争責任(第一部  戦争責任)

「なぜ天皇の戦争責任について考えるのか 竹田 まず、この対談の発端について、簡単に述べておこうと思います。事の起こりはロンドンです。僕は、一九九八年から九九年にかけてイギリスにいましたが、橋爪さんが仕事でオーストリアに行かれて、その途中ロン…

天皇の戦争責任 (まえがき―― 思想の敗北に抗する力)

「竹田青嗣 この対談は、加藤典洋と橋爪大三郎による、「天皇に戦争責任はあるのか」についての対決バトル討論である。わたしはこの対決討論の行司役を買ってでた。彼らの討論なら、これまで延々くりひろげられてきた「天皇」と「戦争責任」に関する議論とは…

天皇の戦争責任

加藤典洋 橋爪大三郎 竹田青嗣 著 「天皇の戦争責任」を読みました。 とても、厚い本です。内田樹氏の「街場の天皇論」を探している時に、たまたま見つけて、橋爪大三郎さんの本だったので、読んでみたいと思いました。 また、加藤典洋氏のお名前は、あの原…

少し観想

〇「日本的情況を見くびらない」ということ、ってどういうことなのかな、とずっと頭の片隅にあります。 そこで、少し思ったことを書いてみたいと思います。 私が以前、考えたことがある「日本的情況」は、「お見合い結婚」でした。 うちの親は「お見合い」で…

街場の天皇論 (「日本的情況を見くびらない」ということ ―― あとがきにかえて)

〇 最後に「あとがきにかえて」のメモをして「街場の天皇論」のメモを終わります。 「1969年、私が予備校生だった頃、東大全共闘が三島由紀夫を招いて討論を催したことがあった。(略) 三島由紀夫は「天皇」という一言があれば、自分は東大全共闘と共闘…