「この調査は、もともと心理学会の大御所デイビット・マクレランのご託宣「男はパワー賦活のために飲む」という結論を、女性の場合に実証しようとはじめられたものである。男が飲み始めると、自慢話をはじめるのはよく観察されるところである。(略)」
「女も酔えばパワーアップするが、それは人との関係の中で相手を自分に依存させる「ケア(世話焼き)」として表現される。隣の男がタバコを取り出すと火をつけてあげようとしたり、灰皿を探しに行ったりする。
酔いが進むと「そんなに喫ってはお体に悪いわよ」、「そんなに飲んではアル中になるわよ」と相手の行動をコントロールする。男のように力ずくで自分に従わせようとするのではない。心から相手を心配して、その結果、相手の「悪い点」を矯正してあげようという利他主義的コントロールの形をとる。」
「いずれにせよ、女たちは子どもと異性に気を使い、世話することで彼らをコントロールし、家族の中で自分の支配権を確立する。」
「こうした女性たちはそれなりに充実していて、自分自身の救いなど求めていないのだ、ということに気づくまでに、私はだいぶ時間がかかった。
夫に殴られる生活に耐えているうちに、刃物で切りつけられる事態に及んで必死で逃げ出した妻たちを保護するという面倒で泥臭い仕事に何度も付き合い、そのつど「子どもが心配」という理由で虐待する夫のもとへと引き返す妻たちを見ているうちにようやく、女たちの「病気」に気がついた。
彼女たちは、「自分が必要とされる必要」につき動かされて生きていたのである。(略)」
〇 この本の最初の部分に、「結婚生活で奥さんはあまりいい思いをしていない…」と書かれていました。でも、自分のことを振り返って見たとき、案外、結婚に向くタイプと向かないタイプがいるのでは?と思いました。
私の場合、結婚で、「朝、どこかに外出しなくてもよい」という生活が始まり、
生まれて初めて、ホッとした記憶があります。
幼稚園で、「登園拒否」を起こして以来、ただひたすら頑張って頑張って、小中高と学校に通い、その後も、日々仕事に出かけていました。
今にして思うと、自分は、かなりのひきこもりタイプの人間だと思います。
大威張りで、ひきこもって居られたこの時期は、とてもありがたい時間でした。
そして、子どもが出来てからは、目の前にただひたすら自分を必要としてくれる存在があって、何も考えることなく、それに対応していられる時間の有難さを感じていました。
夫は、自分勝手な人で、全く子育てには、協力的ではありませんでした。
でも、だからこそ、私を「矯正しよう…」とする圧力もありませんでした。
私は不安ながらも、自分の思い通りにやることが出来て、ある意味、少しずつ、
元気や意欲が育っていったような気がします。
この斎藤氏が言うように、気質的には、私もかなり共依存的な人なのだと自覚しました。