読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

私の幸福論 (二 ふたたび美醜について)

「私のいいたかったことは、男にとっても女にとっても顔立ちの良さ、悪さが、生涯の幸、不幸に大きな影響を与えるということであります。(略) 私は、世間一般が用いている「幸福」という言葉を、そのまま不用意に使ってしまったのがいけなかった。自分でた…

私の幸福論 (一 美醜について)

「美醜も、男女の幸福について論じる時、人々があまり触れたがらない_正確に言えば、よく知っているのに触れたがらない_根本的な問題の一つです。 身上相談などでよく見かけることですが、たとえば、男に騙されて棄てられたとか、夫が浮気をしてしようがな…

私の幸福論 (まえがき)

〇 福田恒存著 「私の幸福論」を読んでいます。 もともと、なぜ私たち日本人はこうなんだろう…?という疑問から 山本七平の著作などを読み始めたのですが、 そこに、NHKスペシャルやETV特集で、様々な日本人の実態が重なり、 更に、現在の安倍政権のやり方や…

私の中の日本軍 下 (解説_イヤな故郷)

〇 この前の投稿で、山本七平の「私の中の日本軍 下」終わりました。 その後に、安岡章太郎の解説が載っています。 「軍隊というのはイヤな故郷みたいなものだ_と明け方近くまでダベリ合ったあとで、友人が言った。何を話していても最後は結局軍隊のことに…

私の中の日本軍 下 (最後の「言葉」)

「私自身は、そういう奇妙な「反省」なるものを、はじめからはっきりおことわりしておく。反省とはその基準を自らの内に置くものだから、たとえ世の中がどう変わろうと、私は、今まで自分が書いて来たことに対して、浅海特派員が自分で書いた記事に対して自…

私の中の日本軍 下 (最後の「言葉」)

「入手しうるあらゆる資料を検討したが、以上で、私にはもう疑問点はない。向井少尉と最後まで同じ拘留所にいたK氏のその手紙の一部を次に引用させて頂く。 <前略、失礼いたします。 ぐう残な機会に「週刊新潮」七月二十九日号の「南京百人斬り」の虚報で死…

私の中の日本軍 下 (最後の「言葉」)

「これで見ると、向井少尉の所属部隊は明らかに「紫金山攻略」を意図していたのではない。また鈴木特派員が「週刊新潮」でのべているような「なかなかの激戦」でもない。さらに浅海特派員が記す「中山陵を眼下に見下す紫金山で敗残兵狩りの真最中」も事実で…

私の中の日本軍 下 (最後の「言葉」)

「この記述はどう読んでも辻褄があわない。ここに出てくるのは紅槍会匪とか紅槍匪とかいわれた有名な集団で、北支にいた部隊でこの存在を知らない者はないといわれた。 私が聞いたことは鈴木氏の記事と違い、林芙美子氏の従軍記事とほぼ一致するが、それによ…

私の中の日本軍 下 (最後の「言葉」)

「<十二月十二日午後六時、第一線各中隊は、中山門の東南方四百メートルの線に進出した。その時の態勢は、右から、第二中隊、第三中隊、第一中隊の順序に並んでいた。城門及び城壁上の敵はあまり強大なものではなかったが、高い所から撃ちおろされるのは気…

私の中の日本軍 下 (最後の「言葉」)

〇 戦争中の具体的な事実は、知れば知るほど辛い気持ちにさせられます。 また、終戦記念日の15日が近づき、特集番組を見る機会が増えました。 NHKスペシャル「”駅の子”の闘い_語り始めた戦争孤児_」と「船乗りたちの戦争」を見ました。 親が死に、駅で暮…

私の中の日本軍 下 (「時代の論理」による殺人」

「結局この事件は、無錫における三人だけの談合にはじまり、十二月十日正午の虚構の会見で終り、これを一つの計画の下に推し進めたのは実は浅海特派員一人で、鈴木特派員も、佐藤カメラマンとその写真も、そしておそらく光本特派員も、すべて、カムフラージ…

私の中の日本軍 下 (「時代の論理」による殺人)

「前章で述べたように、二人の致命傷となったのは「紫金山麓」「十日の会見」の記事である。(略) これらを検討すると、いかなる人間もその時代の一種の「論理」なるものから全く自由ではあり得ないと思わざるを得ない。問題は、ただその「論理」というもの…

私の中の日本軍 下 (捕虜・空閑少佐を自決させたもの)

「従ってもう一度言えば、「この記事は二通りに読めるが、「戦闘行為として読めば虚報であり、戦闘中の行為として読めば非戦闘員虐殺になる」」のである。そしてどちらに読むかによって、二人は「不起訴にもなれば死刑にもなる」のである。 従って、東京法廷…

私の中の日本軍 下 (捕虜・空閑少佐を自決させたもの)

「私が、「悪法もまた法なり」、どんな悪法でもあった方がましだと言ったのは、陸軍刑法も戦犯の公開裁判も、やはり「法」なき「自決セエ」よりはましだったということである。悪法とはいえ法があったが故に「百人斬り競争」が究明できるのであって、もし「…

私の中の日本軍 下 (空閑少佐を自決させたもの)

「だが一体全体、軍法会議で「無罪」の彼がなぜ自殺したのか、本当の意味の「自殺」だったのか、それとも何らかの圧力で「自決させられた」実質的な他殺だったのか?(略) 従って、空閑少佐没後昭和十九年まで、こういうさまざまなケースを見てきた部隊長に…