読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

天皇の戦争責任(第三部  敗戦の思想)

「民主主義と象徴天皇 竹田 「断固正しい」とか「責任がない」とかいう言葉のうえでの違いはあるとして、お二人の考えの内実はかなりはっきりしてきたように思います。ひとつ言うと、「天皇の戦争責任」と「戦争の死者の考え方」ではっきり対立があるが、そ…

天皇の戦争責任(第三部  敗戦の思想)

〇 この「天皇の戦争責任」は、第一部 戦争責任、 第二部 昭和天皇の実像、 第三部 敗戦の思想と三部からなっていて、やっとここまで来ました。 最初は多分、最後までは読めないだろう、と思っていました。とても厚い本だし、 内容が私には難し過ぎる。 特に…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「人間天皇 加藤 なぜ僕が昭和天皇の評価を過不足なく行なうことが大事だと考えるか、その理由は次のようなものです。 僕は、天皇のことを考えるには、やはり現憲法の規定が媒介になる、そのことを考えた方がいい、というように思っています。(略) これが…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「退位 竹田 終戦後、天皇が退位せずにとどまったことについて、橋爪さんはどう考えますか? 橋爪 退位すべきだったという議論がいろいろあります。しかし私の考えでは、退位しないのは正しかった。天皇がそれを選択しなかった理由、退位を考えなかった理由…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「終戦 橋爪 じゃあ、終戦の問題にうつりましょう。 終戦の際、天皇が混乱した政府や軍の首脳たちに対して適切なリーダーシップを発揮し、日本を無条件降伏に導いたこと、そして本土決戦→一億玉砕という最悪のシナリオを回避し、日本軍の武装解除を成功させ…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「開戦 竹田 では、次の「太平洋戦争開戦時の天皇の行動」について、まず橋爪さんから話してください。 橋爪 開戦に至る経緯は、たいへん複雑なのですけれども、まず言えることは、誰かの一貫した方針や考え方によって準備されたものと言うよりも、その場そ…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「日華事変・ノモンハン事件 (略) 加藤 (略) まず、推移を簡単に述べておきます。きっかけは一九三七年七月七日の盧溝橋事件です。この夜、北京の郊外盧溝橋のほとりで夜間演習をしていた支那駐屯軍の一中隊長が、不意に中国軍の方向から飛んでくる十数…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「二・二六事件 橋爪 次に、二・二六事件です。これは数ある事件のなかで最大のもので、ほとんど成功寸前のところまでいったクーデター事件です。(略) いわゆる天皇の直接親政をめざす、皇道的な観念を持つ軍人が増えてきたのも、こういう変化と軌を一にす…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「満州事変 加藤 少し抗弁をすると、僕には天皇にまつわる組織、法制がやはり恣意的というか、近代的なものと非近代的なもののアマルガム(amalgam 合金)になっているという判断がある。それが、僕の天皇への行為への評価に影響していると思う。(略) 橋爪…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「張作霖爆殺事件 橋爪 それでは二番目の「張作霖爆殺事件の際の対応」に移りたいと思います。 張作霖事件は一九二八(昭和三)年六月四日に起こりました。(略) その結果、どうなったかと言うと、張作霖の軍閥は息子の張学良によって継承された。張学良は…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「私的領域 橋爪 それでは次に、先に述べた六つのポイントのうち、一番目の「家庭に関する行動」について、できるだけ簡単に説明してみます。(略) 「お局制」とはどういうものかというと、独身の女性が局というかたちで天皇の日常生活に奉仕し、ずっと宮中…

天皇の戦争責任(第二部  昭和天皇の実像)

「背景 竹田 第一部では、いま戦争責任を論じることにどういう意味があるのか、これをどんなかたちで考えれば、いまの時代や状況にきちんとはまるかたちになるのか、ということを中心に話を進めてきました。ここからはできるだけ具体的に歴史的事実にふみこ…