読んだ本のメモ

印象に残った言葉をメモします。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

国体論 ー菊と星条旗—

「「2 明治レジームの動揺と挫折 ▼「臣民としての国民」から「個人と大衆」へ 第三章に述べた通り、日露戦争の終結から大逆事件に至る時代は、「戦前の国体」の「形成期」から「相対的安定期」への転換期にほかならなかった。(略) しかし、この転換期の時…

歴史の中のイエス像

〇 国体論の途中ですが、松永希久夫著「歴史の中のイエス像」から少しメモしておきたいと思います。 私の疑問は、何故、キリスト教圏では、真実が重んじられる社会システムが作られたのに、仏教圏では、そうはならなかったのか…なのです。 仏教でも、嘘はい…

国体論 ー菊と星条旗—

「第七章 国体の不可視化から崩壊へ (戦前レジーム:相対的安定期~崩壊期) 1戦前・戦後「相対的安定期」の共通性 ▼「戦前レジーム」と「戦後レジーム」の並行性 (略) 両時期には、次のような四つの共通点を見いだすことができる。 ① 国体の不可視化と…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼第二、第三の<狼> 先にも述べたように、東アジア反日武装戦線を世論は激しく指弾した。(略) このように、彼らは世間から理解を拒否されることをもとより覚悟していたわけだが、その予想通りに、鈴木邦男の言葉によれば、マスコミは「「彼らは気違いだ…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼私的幸福への沈潜と公なるものに対するニヒリズム (略) 吉本の考えでは、戦後民主主義なるものに成果があるとすれば、それは、戦争体験と敗戦直後の経験を通じて、「天下国家・公なるもの」の欺瞞性を日本人が徹底的に認識し、国家によってであれ、「公…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼六〇年安保 (略)近代前半の第一期とのアナロジーで言えば、一九六〇年は、一八八九年の大日本帝国憲法発布前後の状況に擬えることができる。すなわち、レジームが根本的な不安定性を克服し、潜在していた「別の理想」の実現可能性を無効化するに至った…

国体論 ー菊と星条旗—

「第六章 「理想の時代」とその蹉跌 (戦後レジーム:形成期③) 1 焼け跡・闇市から「戦後の国体」の確立へ ▼理想の時代 前章で見てきた「国体を護持した敗戦」と占領、講和条約の発効、日米安保体制の成立にまつわる政治神学的過程の進行と並行して、この…

国体論 ー菊と星条旗—

「▼ 昭和天皇の「言葉のアヤ」発言 (略) あまりに重い戦争責任の問題を「言葉のアヤ」と呼んだことには、ある種の過剰性が感じられる。(略) なぜなら、国体護持のために日米合作でつくられた物語は、「天皇に戦争責任はない」と政治的に決めたのである。…